第24話 フェンネル
私が丘の上から眼下にある城門を見ると、そこに大量の魔物たちが襲いかかろうとしていた。
そこには10人ほどの騎士と……ギルド長フェンネルがいた。
フェンネルは腰に10本以上もの剣を差している。
そのうちの1本を抜いたかと思うと、残りの剣も宙を浮くように鞘から出てきて、フェンネルの周りを浮いたまま静止している。
フェンネルは手に持っている剣を振る必要もなく、フェンネルが歩いた後は宙を浮いている剣が飛び回り、動かなくなった魔物たちが地に伏していた。
「すごい」
私は感嘆の声を漏らした。
オーガがフェンネルに襲いかかる。
フェンネルは手にもつ剣で、オーガの攻撃をいなしつつ、宙に浮いている剣がオーガを襲う。たちまちオーガは血まみれになり、その場に崩れ去った。
ゴブリンたちがフェンネルに襲いかかる。
フェンネルは手にもつ剣で、流れ矢を防ぎつつ、宙に浮いている10本以上もの剣が、その数と同じだけのゴブリンを一度に屠ってゆく。
フェンネルの活躍により、城門の周辺は一掃されつつある。
城内への侵入は防げたように思われたが、魔物たちは城門から離れ城壁にそって回り込み始めた。
「あ、まずい」
城門付近以外は、騎士も冒険者もいない。
城壁を壊されるか、よじ登られれば、城内への侵入を許してしまう。
フェンネルも身動きが取れないでいる。城門前を離れてしまうと、城門からの侵入を許してしまうからだろう。
『
もう迷っている暇はない……『
シャララン、シャララン!
丘の上から眼下に広がる城。それを取り囲むようにひしめいていた魔物たちが一斉に動かなくなった。
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