第23話 魔物襲来

 しばらく歩くと先頭の方では戦闘が開始していた。


「丘の上が手薄だ! 誰か頼む!」


 そのような声を聞いて、私たちは丘の上の方に移動した。

 少しひらけたところに出ると、魔物がたくさんいるのがよくわかる。

 多種多様な魔物が数百、数千はいるだろうか。まったく数え切れない。


「魔物は弱いのから強いのまでいる。サフランを中心に、それぞれのレベルに応じた魔物を退治していきましょう」


 そう言うとローズマリー先生は駆け出し、さっそくオーガやトロールなどを相手に奮闘し始めた。


「よ、よし。俺らも行くぞ!」


 そう言ってパセリたちも3人1組になって、ゴブリンやコボルトなどを相手する。


 初めての大規模な戦闘に私は緊張していた。


「ローリエ、あんまり遠くに行かないで」

「わかった。サフランに倒れられたら困るからね」


 そうは言ったものの、魔物はどんどん押し寄せてくる。ついに私たちの前にも現れ始めた。


不動緊縛ふどうきんばく』を使えば、容易く倒せるのかもしれないけど、錫杖のスキルはあまり表沙汰にしたくない。


 私は錫杖を振りまわし、近くに寄ってきたゴブリンやオークたちを薙ぎ倒した。

 錫杖に当たった魔物たちは面白いように簡単に吹っ飛んでいく。


 アドレナリンかドーパミンか知らないけれど、だんだんと慣れてきて、私は無我夢中で叩きまくった。


 ローリエも私の背中を守るようにして、一体ずつ確実に仕留めている。


「サフラン! パセリを!」


 ふと気づくとジンジャーが叫んでいる。ハッと見るとパセリが倒れていた。マスタードも頭から血を流している。


治癒ヒール』!


 パセリとマスタードが復活する。

 ついでに、レンジャー、ローリエ、ローズマリー先生にも『治癒ヒール』をかけた。


 ローズマリー先生は『加速クイック』を使った剣技で次々と魔物を討ち取り、だいぶ離れたところにいた。


 いかんいかん、治癒師ヒーラーとしての本分を忘れていた。

 もっとまわりを見なければと周囲を見ると、丘の上から眼下にある城門が目に入った。


 そして、そこには大量の魔物たちが襲いかかろうとしていた。



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