第22話 共闘

 翌日、城門の外に騎士たちが整列していた。

 そしてその隣には冒険者たちが整列……せずにガヤガヤと集まっていた。


 お立ち台のような台に、30代ほどの風格ある男が立つ。


「冒険者諸君! よく集まってくれた! 魔物の群れはもうそこまで来ている! 我々はこの城門を最終防衛ラインとし、街道および街道周辺の丘を主戦場とする!」


 そうだ。あの丘は私がこの世界で目を覚ました場所だ。もうだいぶん前のことのように感じられる。


「冒険者諸君は、気心の知れた仲間同士でパーティを組み、魔物と戦ってほしい!」


 よしよし。私はローリエと一緒に行動をともにしよう。


「サフランー! 良かったらパーティ組まないか?」


 そう言って現れたのはパセリたちだった。


「久しぶり。生きてた?」

「もちろん! ローリエも元気そうで」

「やあ、久しぶり。ボクのサフランをナンパしにきたね」

「あはは、そんな人聞きの悪いことを」

「パーティ組んでも良いけど、私たち気心の知れた仲間だったっけ? D級講習を一緒に受けただけのような……」

「まあまあ、堅いことは良いじゃないか」

「さてはサフランの『治癒ヒール』を当てにしてるでしょ?」

「鋭い!当たり!」

「良いけど、私はローリエへの『治癒ヒール』を最優先にさせてもらうよ。それでも良いなら私の近くにいれば『治癒ヒール』するよ」

「有難い!」


 そう言って、パセリ、ジンジャー、マスタードは私たちと合流した。


「サフランにローリエ、私も一緒させてもらえないですか?」


 とそこに声をかけてきたのはローズマリー先生だった。ローリエが真っ先に返事する。


「ローズマリー先生!もちろんです!」

「えー、僕らのときと対応がえらい違うなぁ……」

「当たり前じゃん。格が違うよ格が」


 パセリがぼやくので、私がツッコんでおく。


「オレガノさんは一緒じゃないんですか?」

「彼は彼の所属するパーティがありますからね」


 ローズマリー先生がなんでパーティに所属していないのか気になるけど、今は聞かないことにした。今度、機会があったら聞いてみよう。


「魔物がもうそこまできているぞ!」

「では、皆の者、いくぞ!」


 そうして、一部の騎士を残し、騎士たちも冒険者たちも街道を進みだした。


「サフラン、私たちも行きましょう」


 そうして、私たち6人もゾロゾロと進み始めた。


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