第13話 呼び出し

 翌朝、目が覚める。

 隣にはローリエが寝ている。


 昨日はギルドに戻り、無事に冒険者証をD級に更新してもらった。オーガの討伐報酬も受け取り、懐の暖かくなった私たちは、宿に戻り、少し豪華な夕食でローリエと進級を祝った。


 ローリエが起きてから朝の支度をし、ギルドに向かう。D級になったので新しいクエストも受けられるようになっているはずだ。


「おはようございます、サフランさん。お待ちしていました。ちょっと奥に来ていただけますか?ローリエさんも一緒にどうぞ」


 ギルドの受付に着くやいなや、受付嬢から奥の部屋に行くように言われる。

 もしかしてボス部屋で拾った武器が、ローズマリー先生が用意した武器でなかったからD級昇進を取り消されるのではないかとドキドキしながら奥の部屋に向かう。


「サフランさんとローリエさんをお連れしました」


 受付嬢に促されて、部屋の中に入るとそこには初老のおじさんが座っていた。眼鏡をかけており、いかにも学者肌という雰囲気だ。隣にはローズマリー先生が立っている。


「この街のギルド長をしているフェンネルといいます。まあ、おかけになってください」

「サフランと申します」

「ローリエです」


 挨拶して応接間のソファに座る。ローズマリー先生も反対側に座った。

 物静かにフェンネルさんが話し始める。


「さっそくですが、サフランさんが昨日見つけた杖のことです。もうお気づきとは思いますがその杖はローズマリーが用意したものではありません」

「あー、やっぱりD級昇進は取り消しですか……」

「え? いえいえ、それはありません。その点については心配しなくて大丈夫です」

「よかった!……では今日呼ばれたのは?」

「そう、ここから本題です。練習用ダンジョンは過去にダンジョンコアを破壊し、魔物が湧くことはありません。ダンジョン内のアイテムもすべて回収されたと思われていました」


 ローズマリー先生がウンウンと頷く。


「しかしサフランさんは我々の知らないアイテムを見つけた。つまりダンジョン内のアイテムに実はまだ未発見のものがあったということです。ちょっとあなたの杖を見させてもらって良いですか?」


 私は応接間のテーブルに錫杖を置いた。

 フェンネルさんが手に持って見ようとするが持ち上がらない。テーブルに置いた状態で観察し始めた。

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