第9話 D級講習2

 翌朝、私たちは東門に集まり、近くにある練習用ダンジョンへと移動した。


 昨日に引き続き、私たちの他に受講者が3人いる。3人組のパーティということでパセリという人がリーダーをやっているらしい。


 そして今日はローズマリー先生の他に、B級冒険者のオレガノさんも教官として着いてきている。そういうわけで総勢7人だ。


 ダンジョンの入り口につくと、ローズマリー先生が説明を始めた。


「今日の目標は練習用ダンジョンの地下3階にあるボス部屋からアイテムを取ってくることです。昨日のうちに私がボス部屋にアイテムを隠してきました。それを見つけて、持って帰ってきてください。昨日説明した通り、このダンジョンは既にダンジョンコアが破壊されていますので、魔物が湧くことはありません。ダンジョン内を探索して目的地にたどりつき、帰ってこられるようになることが研修の目的です」

「ボス部屋に置いてあるアイテムはどんなものなんですか?」

「私からあなたたちへD級昇進祝いとしてお渡しする武器です。一人ひとつずつあなたたちの特性に応じたものを用意しています。自分に合った武器を見つけて持ち帰ってきてください」

「おー!」

「まじか!」

「これは頑張りがいがありますね」


 パセリの疑問にローズマリー先生が答えると、3人組は歓声をあげた。たしかにこれは嬉しい。私はまだ武器を持っていないので非常に助かる。


「それではそれぞれのパーティごとにダンジョンに入ってもらいます。パセリさんのパーティにはオレガノさん、ローリエさんのパーティには私が付いていきます」


 こうして、パセリたち3人組とオレガノさんが先にダンジョンに入っていた。数分後、私たちもダンジョンに入る。


「私は後ろから付いて行きます。どうしても必要な場合以外は手を出しませんので、2人で頑張ってくださいね」


 そういって、ローズマリー先生は私たちの後ろから付いてくる。


 先頭をローリエが進み、私はその後に続く。ローリエが『索敵サーチ』を使って、確認しながら前に進む。


「先に入ったパセリたちしか反応にないね。やっぱり魔物はいなさそう」


 ダンジョンの中は普通に洞窟だったが、迷路のようになっている。私たちは丁寧にマッピングしながら、先に進んだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る