第8話 D級講習
ローリエと出会ってから、一週間ほど経過した。私もローリエも、かなり自在にスキルを使えるようになったと思う。私は『
薬草や薬茸の採集ばかりしていたが、ときおりゴブリンと遭遇した場合は、私が自分に『
「サフラン、そろそろD級講習を受けて良いんじゃないかと思うんだけど、どうかな?」
「いいよ。もうだいぶスキルは使いこなせるようになったもんね」
D級講習を受けることにした私たちは、冒険者ギルドの受付で申請した。
「あなたたちラッキーね。D級講習はちょうど今日から始まるのよ。しかも今回の教官はあの有名なローズマリーさんなのよ。講習は二日間で、今日は隣の訓練所、明日は街の外にある練習用のダンジョンです」
私は「ローズマリーって誰?」と思ったが、ローリエは知っていたようだ。
「え! A級冒険者のローズマリー!?」
ローリエによると、かなり名の知れた冒険者で、ただ強いだけではなく、人望も厚いらしい。
私たちは訓練場に移動した。私たちの他にも受講者が三人いるようだ。
時間になると、二十代ぐらいの女性が訓練場に入ってきた。綺麗な金髪のブロンズヘアに、朱色の鎧を身に着けている剣士だ。細身だが長い剣を腰に吊るしており、ベテランの雰囲気を漂わせている。
「本日からD級講習を担当する。ローズマリーです。よろしく。D級講習の最終目標は、ダンジョンで活動できることです。今日はそのための知識を覚えてもらい、明日は練習用ダンジョンに潜ってもらいます」
1日目の講習内容は、ダンジョン内でのマッピング技術に始まり、移動する際の隊列、戦闘時の注意事項、休憩の取り方など多岐に渡った。訓練場の端にある黒板で説明を聞いたり、実際に訓練場の中で演習したりと充実した一日だった。
「では今日はここまでです。明日は朝から東門に集合して練習用ダンジョンに移動します」
訓練場を解散した私たちはそれぞれ帰路につく。
「疲れたね、サフラン。明日はいよいよダンジョンかあ」
「ダンジョンっていってもローズマリー先生の話だと練習用だから魔物もいないし、楽勝じゃない?」
「まあね。でも初めてだから緊張するよ」
そのようなことを話しながら、私たちは明日に備えて宿屋に帰っていった。
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