第1章 第1話 妹
妹、
皆さんはいるだろうか。
僕はいる。
そう色麻祈里、僕の愛しの妹だ、
世間的には仲が悪いと見えるだろう。
全くもってその通りだ、それは何故か、
当然、妹は絶賛反抗期だからだ。
反抗期、
人間の成長過程において、大抵の人間には避けて通れない時期。
主に成長期や、遅い人では30代になって後期反抗期なるものもあるらしい。
妹は可愛い、それは自他ともに認める、人類普遍の摂理、恒久的に決まっているのだ。
僕の場合、妹には嫌われまいと、日頃より、仲良くしていたが、いつしか。
祈里「近寄んな!バカ兄貴!」
と言われ、
1日泣いた。泣きすぎて目がピキピキになった。
親の気持ちが分かった気がした。
そんな、妹だが1人絶対に仲良くしている友達がいる。
名前は聞いたことがないが、良く家に来ていて、祈里と仲良くしていると聞いている。
もちろん本人からではなく、母情報だが。
多感な時期というのは非常に分かるが、いくら何でも長いとも思っている。
僕自身反抗期がなかったのだ。
無理もない(?)
そんな妹だが、最近少し話すようになった。
但し一方的だが。
そんなこんなで、胸ぐらを掴まれて、久しぶりに妹から熱い会話を交わしたわけだけども!
閑話休題
住之江「祈里ちゃんってまだ反抗期なの??
まじでめっちゃ前からなイメージあるけど」
色麻「2年ちょっとだけどな」
住之江「十分長くねぇか?」
住之江にはある程度話している面はある、反抗期の事はもちろん、妹については僕の方から熱く、重く語っているから。
だけどまぁ話せないよなぁ・・・・
妹に胸ぐらを掴まれて、詰問させられたなんてさ?
住之江「意外と話せんじゃね?もしかしたら祈里ちゃんも話しずらいだけだと思うけど?」
色麻「楽観的だなぁ、話しても返してくれない、ボールは投げても、グローブに収まってくれないし、キャッチボール相手にもなってくれないよ」
住之江「そんなもんなのかなぁ?兄貴とかとはオレ仲が良いからあんま分かんねぇんだよなぁ」
色麻「兄と妹じゃ、対応が違うし、異性だからね分からんのよ」
瑠々「そうでもないんじゃない?」
色麻「ビックリしたなぁ!」
急に後ろにいた?
というかどんな体勢だよ、椅子の上に仁王立ちしてるぞこの生徒会長。
瑠々「祈里ちゃんはツンツンしてるだけなんじゃないの?私にはわからないけど。」
色麻「それを言うためだけに来たんだったら、生徒会室に帰ったら?」
瑠々「何よ、つれないわね」
住之江「お前らってそんな仲良かったっけ?高校入ってからまともに話してなかったのに、昨日の今日で何があったんだ?」
色麻「ボクもわからんさ」
瑠々「愛を育んでたのよ」
住之江「愛を!?」
色麻「なわけねぇだろ」
住之江「育んでたん!?」
瑠々「そう」色麻「違ぇって」
住之江「やっぱ息がピッタリや」
だから勘弁なんだけどなぁ。
こんな俺の機密情報握ってるやつを彼女扱いなんてできるわけが無い。唯一の良心である、命を救ったという面だけでなんとかバレるのを回避しているからな。
住之江「いつからやーーーー!」
瑠々「話せば長くなるけど?」
色麻「話さなくていいからすぐに去れ!」
住之江「先越しやがったなぁー!?」
色麻「おい!だから腹いせに胸ぐら掴むな!妹か!?」
住之江「んぐぁーーー!」
瑠々「イモウトカッテドウイウコト?」
瑠々がなんか言ってる気がするが!こいつ力強いって!胸ぐらを掴むな!
もうダメや、今日1日はこれが続くなこれ。
住之江「許さんぞぉぉぉー!」
色麻「勘弁してくれ、助けてや瑠々
瑠々「ブツブツ」
住之江「呼び捨てだと!生け捕りじゃあ!」
瑠々視点
妹がやったみたいにねぇ?
あのメス、やっぱり反抗期は終わってたのねぇ?
狙ってるのよねぇあの目、恋慕に溺れた汚い目!許せない!一樹のことを狙う雌豚どもには容赦しない!
デートはとりつけられなかったけど、いい情報は手に入れたわ!
そうねぇ、立ち回りを変えるべきかもしれないわねぇ?
これ以上居ると一樹に嫌われるかもしれないし大人しく帰りましょうかねぇ。
瑠々「またね?一樹」
色麻「一生くんな、瑠々」
住之江「チックショーー!」
だから住之江さん、それ以上揺らすの辞めてくれさい
......夕方
色麻「ただいま」
こんな時間なのに家が暗いな、どうした?
色麻「母さん?」
リビングのドアを開けると
色麻「....何してるんだ、祈里?」
祈里「.....?オニイチャン!?そうかぁ!私を助けに来てくれたんだ!見てよ!くそババアが私に偉そうに説教しやがってさ!イラついて!でも、死んじゃえって思いながら殴ったら....ッアハハ?!グチャグチャになってさぁ!.....ってのんでそんな目で見てるの?」
妹は能力者だった。
それだけで衝撃だった、
ここから僕は何をしていたか覚えていない、必死に妹をどかし原型を留めていない母親を必死に元に戻していた。
何時間たったか、どんな能力を使った分からない。妹と戦いながら僕は母親を治した。
そして意識を失った。
.....?なんか嫌な夢でも見た気がするなぁ
少し疲れてるし、でも起きたし目を開けるかぁ?
瑠々「あら?起きたのね一樹」
目を閉じた。現実逃避だ、嫌な夢は続いていたらしい。夢から覚めなきゃ。
瑠々「眠ったって私からは逃げられないわよ?」
色麻「.....なんでいんだよ」
瑠々「生徒会で帰るの遅れたし、あなたの家、私、帰り道だし、至極当然じゃない?」
色麻「そんな当然知らん」
瑠々「当然じゃない貴方に言われても、説得力無いわ」
色麻「それはそう」
瑠々「少しシリアスな話になるけど、祈里ちゃんのこれなんなの?」
色麻「分かるだろ、お前は」
瑠々「なんの能力かは分からないもの」
色麻「多分だが、確証はない」
瑠々「勿体ぶらないで早く教えて」
色麻「思った通りに能力を使える能力」
瑠々「貴方と変わらないじゃない」
僕の場合は条件が必要、
祈里の場合は要らない、
ほとんど上位互換とも取れる能力だな。
瑠々「これどうするの?」
色麻「どうすっかね」
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