第4話 プロローグは終わらない

朝のニュースに世間に、世界に、人類に衝撃を走らせる出来事があった。

もちろん僕にも届いた。


アメリカ、ミルウォーキーという土地に能力者が現れたというニュースが湧き上がった。

この時代に情報操作は難しく、衛星、SNS、他にもたくさんあるが、情報の出回りが早い。

隣の家から、正面の家から、宇宙から。

多角からそのニュースが取り上げられた。


母親を触らずに突き飛ばし殺害した少女。

ニューリンズ・アナシィ

地元当局では事件だの事故だのと騒ぐが、世論ではかの日本の英雄である、あの子供の再来と持ち上げられて、衰退しきっていたテレビに活気が一度取り戻すほどのニュースであった。


紫月「一樹.....これ」


色麻「まぁ能力者じゃない?なにも不思議じゃないでしょうもう、今までいなかったことが不思議だし、多分僕と同年代か1歳差くらいだ。」


紫月「あの子は軍事利用されるのかしら」


色麻「さぁ、日本の英雄の二の舞にならなきゃいいけどね」


紫月「一樹は取り上げられたらどうするの?日本の英雄の再来って」


色麻「さぁ?考えないようにしてるんだよね、それ、でも軍事利用されるくらいなら、僕は反抗するさ」


紫月「そういうもんなのかしら」


色麻「さぁ、能力者は普通じゃないから」


紫月「一樹は、アナシィちゃんをどう思うの?」


どう思うって


色麻「さっきも言ったけど特段興味はない、まだ能力者って、決まった訳でもないし、ご馳走様学校行くね」


紫月「......」


色麻「行ってきます」


紫月「あっ、行ってらっしゃい」






紫月「祈里、居るのは分かってるのよ?聞き耳立ててないで」


祈里「......そんなことするわけないじゃん」


紫月「母親の力を舐めすぎだわ、祈里を産んでから十数年よ?」


祈里「うっるさいなぁ!」


紫月「っっはぁ。しょうがないわねぇ、」


紫月(多分一樹の能力のこと聞かれていたわよね、少し祈里にも話しておくべきかしら)





祈里「私のお兄ちゃんだよ?お兄ちゃんの妹だよ?私は、能力の事なんて知ってるし、どんな能力かも知ってる。知らないことなんてないもの、なんで反抗期を演じているのかすら分かってないもの、もちろんお兄ちゃんも分からない、だって鈍感だもん、私も能力があるのに、お兄ちゃんの目の前で使ってあげたのに、知らないのかぁ、私はこんなにも知ってるのに、ねぇ、愛しのお兄ちゃん?」



色麻「ヘックシ!!」


だれか僕を噂していたのかな?


まぁいい、

いい噂なら大歓迎だが


悪い噂は大抵いいことは今後起きないからな

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