第1話

2029年

ある科学者が論文を投稿した。


世界はその論文に夢中になった。

崇拝するもの、畏怖するもの、嫌悪を抱くもの

そして希望を見出すもの。


その論文は資本主義全盛期と言えた2000年代前半に、旋風を巻き起こした。


論文の名は

【人間性、トラウマ、覚醒し目覚める、脳容量の才覚】


一見何を言っていると思うのも無理はない。

平たく言えば、超越した力、超能力が人には宿るというものだ。


掲載当初これは偽論文とあしらわれたが。


2030年日本において、論文を逆説的に証明してしまう出来事が起きた。


思春期という多感な時期に能力に目覚めた子供がいた。現 超能力科学における。原点、汚点とも言える出来事でもある。

その子供には信じられない力が目覚めたのだ。それは地味だが、直接触らなくても物に触れる。というものだ。

この事件で当時はテレビ、雑誌、YouTube、TikTok、Twitter、etc..,..

多くのメディアによって、取り上げられ。

もちろん世界中がその子供に注目した。




軍事利用という点で。




その子供が成長していく中で、触れれる大きさ、重さ、距離、応用の幅すべてが広がっていき。

ある時。その子供は車を複数個もった。

ある時。その子供は人を持った。

ある時。その子供は......


超能力の可能性、成長に皆、虜になった。論文に難癖を付けていたもの。全てを疑うもの。アンチを楽しむもの。


人は愚かであり。偽善である。


愚かにも。2032年より、始まった戦争でその子供を利用したのである。

これを超越戦争と呼んだのである。


この戦争で、日本は勝利した、辛くも勝利を納めた、1人の子供を犠牲にと言えば少ないように聞こえるが、この子供が戦争を終わらせるほどの力を持っていた。

実際の所、日本は子供の軍事転用から勝利の風を引き起こしたと言っても過言でもは無い


能力というものが注目される1つの大事件だったのだ






「なぁ!色麻?ここの範囲のテストとかむずくね?」


「うるさいな。勉強すればこのくらいわかるだろ?住之江。」


「いやぁ!だって暗記苦手なんだよ!令和史とか。バカみてぇになげえじゃん。」


「何にしても、僕達の祖先はそのバカみてぇな事象にあってきたんだよ。」


「こんな能力本当にあんのかな?だってこの子供から1人も居ないなんて信じられないけどな?」


こんな時僕はこう答える


「この論文は証明されてしまったから。」



「居るよ。」


なんてったって


「偶にはいい事言うじゃん!じゃあラーメン食って帰らね?」


「金がない」


「じゃあ奢るから!」


「.......、行くぞ。」


「やったぁ!」


能力というのは存在する。



この論文があり、事実があり、そして僕がいるから。


だから僕は後悔をする




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