第5話 俺のしたいこと

俺の人生はあと一ヶ月弱で終わる

一般の人からしたら短いと思われるだろう

だが

俺は人生において大切なことはどれだけ長く生きるかではなくどれだけ濃い時間を生きるかと考えている


「俺のしたいことはこれだな」


一回全て消した紙にこう書き込む


・自分のしたいことを探す


俺には趣味や特技はない

人並みにできることはできたし専門的なことはない一つできなかった

いわゆる普通というやつだ

俺は普通が大好きで反対に大嫌いだった

普通でいれば誰から何かを言われたりやられたりすることはない、だけどずっと普通な自分も嫌いだった、いてもいなくても変わらない、自分はそんな人間だった

あっちの世界へ行ったあと自分は生前こんなことが好きでしたと言えることを探そうと思った


まずやろうとしたのは人との交流だった

人と交流すれば色々な人の趣味がしれてその中から自分の好きなことが見つかるかもしれないと考えた

俺の中で人間関係といえばこいつみたいな奴がいたそいつと俺の関係は高校時代に遡る


高校時代あたかも友達が多いことがステータスだと思って疑わないような振る舞いをしていたやつがいた友達が多い方が善で少ないのは悪そんなようなやつだった、もしかしたら俺の中で脚色されているかもしれない

こいつに会うことが一番手っ取り早いと思った

だけど俺とこいつの関係はただのクラスメイト

番号なんて知っているわけがない

俺は友達がそこそこな方だった、反対に相手はとても多かった、他のクラスにも沢山友達がいるタイプ

高校時代の俺はそんな相手が少し苦手だった

相手も俺のことが苦手だったと思う

お互いに話すことは必要最低限のことだけだった

俺は俺の友達と過ごしていたし相手も相手の友達と過ごしていた

お互いにクラスメイトだけどあまり関わらない存在だった



どうやってあいつと連絡を取ろうかと考えていたときあるメッセージが来た


ピコン!


「誰だ?」


スマートフォンには栗原茜の名前が表示していされていた

メッセージにはこう書いてあった


高校時代の友達と遊ぶことになったんだけど秋風もどう?


というメッセージとともに名簿が添付されていた

その中にはやつの名前もあった


「グッドタイミングすぎるだろ」


すぐに参加すると返事をした

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