第4話 高校時代好きだった人
大体の人は高校時代好きだった相手に声をかけられたら嬉しいだろう
俺も例にもれずその一人だった
高校時代好きだった相手とばったりカフェで出会い自分も相手も運命だと考え付き合いそのままゴールイン子供ができてハッピーエンドとはよくある話だ
だがそれには最低1年は必要だと思う
だけど俺には残り一ヶ月その終わり方は無理だった
というかそもそもそんなありきたりなレールを進む気はない
俺は他愛もない話をして切り抜けることにした
「ほんと久しぶりだね秋風」
「だな栗原、高校卒業ぶりだから6年くらいか?」
結局席は見つからず二人用だった栗原の座っていた席に同席させてもらうことにした
「秋風って今何してるの?仕事とか」
「あー仕事ね、してないよ」
「秋風って進学だったよね?大学卒業してから仕事何もしてないの?」
「いや、さっきやめてきた」
「え?なんで、なんかあったの?」
「やりたいことができた、、、的な?」
「ふふっ、なにそれ秋風っぽくない」
「まぁー気分転換だよ」
「秋風って高校時代そんな行動派だったっけ?」
「いーや高校時代は流されるだけだったな」
「なんか変わったね秋風」
「お前もな」
そこからはお互いのこれまでのことを話した
連絡先も交換してしまった
そこからは普通に買い物をして帰った
(俺は何がしたいんだろう?)
家に帰ってきた俺は自分が残りの人生で何がしたいのか考えた
・世界の美味しいものを食べる
・自分の趣味を全力でやる
・家族に会いに行く
・
書き出そうとしてみたが4つ目を書こうとする手が止まる
というか2つ目もほぼ書いた意味がない
(俺の趣味?何だっけ)
大学を卒業し、社会人になったあとは自分の事に割く時間がなかった
高校時代はゲームをよくやっていた気がするがそれも友達に誘われてやっていただけだった
実際俺がゲームを楽しんでいたかは分からなかった
なので趣味がないやつが学校の自己紹介で言う
「趣味はゲームです」は今は意味をなさなかった
というか一番最初の美味しいものをたべるも本当に俺のやりたいことなのか疑問になった
「もし地球が滅ぶことになったら最後の日に何をするか」 という質問の上位に入りそうな当たり障りのない誰もがやるだろうなということを書いていた
なら本当に俺が今したいことって何なのだろうか?
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