第2話 謎の怪物との出会い


「はじめまして」


そう声をかけられた

こんな時間に声をかけてくる知り合いはいない

仕事が終わってから帰宅しているので

時間は10時を回っていた

こんな時間に声をかけられたので

俺も少し警戒してしまう


「あなた誰ですか?」


「誰って、今君が一番欲している存在だよ」


欲している?

この怪物みたいなやつをか?

急に声をかけてきたやつの見た目は

黒い塊のようだった

ゆうなれば人間の身長に成長したスライム

と考える人もいるかもしれない


「おっと、少し警戒されているね」


俺の心を見透かしたようにそう言った

見た目が人じゃないし心を見れても不思議じゃない


「こっちの見た目ならどうかな?」


スライムがそうつぶやくと

身長160くらいの大学生のように見える女の人

変身した


「えっ、あっ」


「驚きすぎて声も出ないようね」


「何だ、お前」


「自己紹介がまだだったね、私の名前は「無」だ」


「名前がないってことか?」


「いいや、無っていう名前なんだ」


「俺も自己紹介したほうがいいか?」


「してくれたらありがたいね本人確認的なことをしたい」


「名前だけでいいか?」 


「あぁもちろん」


「んじゃ言うぞ、俺の名前は秋風明人」


「アキカゼアキト、うん、君だ」


「というかお前はなんで俺の前に現れた?君が欲していたとかいう抽象的な回答はやめろよ」


「んーだめか、それならしっかり説明してあげよう」


「頼む」


「私は君と契約をしにきた」


「契約?」


「そう、契約、君、早く人生を終わらせたいと思っているでしょ?」


「、、なんでそれを」


「聞いたことないかな?人の命を欲する怪物の話」


そんな話聞いたことないと思ったが

不意に中学生の頃の記憶が出てきた


「その顔は知っていたということだね」


「あぁ中学の頃に聞いたことある」


「そうか、それなら話は早いね」


「それで契約の内容は?内容によっては契約しないが」


「単刀直入に言う私は君の命がほしい、そのかわり君には100万円をあげよう」


お金で命を差し出すやつがいるのか?

まぁでも無駄に終わらすよりこっちのほうが得か


「契約しよう、お前も話は早い方がいいだろ?」


「話が早くて助かるよ

それじゃあ細かい説明をするよ、まず前提として君の命を私がもらう

そして、、、」


無が話した内容はこんな感じだった

・俺の命を渡す

・契約完了してから1ヶ月後に実行する

・無の前から逃げ出すようなことがあれば呪いによって1ヶ月経っていなくても実行される

・貰える100万は何に使ってもいい

・無が時々現れる


無が話したルールのようなやつは他にもあった気がするが忘れてしまった


「これでルールは以上だねどう本当に契約する?」


「契約する、1ヶ月よろしくな」


「はいこれ」


無はそう言って俺に100万円を渡してきた


「それでは秋風さん契約完了です」


無はそう言って俺の前から消えた

実際俺はこれをまだ現実か夢かよく分からなかったがどっちでも良かった


本当はあと80年近くあった時間が残り1ヶ月になった

俺はまず最初会社をやめることにした

明日起きたら会社に辞表を出しに行こうと決め家に向かった

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