第11話
日々
街コンの日が近づいてくる。こんなことにソワソワしたくはないけれど、予定があることがまず嬉しい。
別に新しい恋がしたいとかは思ってはいない。それでもこの街コンをきっかけに同じような日々を過ごさないだろうし、休日もだらだら過ごさなくなるのではないかと淡い期待を思ってしまっている。
このまま、トントン拍子に恋愛なんかするとまた違う日々になるのだろうか。
今は彼氏がいないだけで恋愛をしたことはある。でも、振り返れば本気で好きとかそういうのはなかった気がする。付き合うという流れ、別れるという流れも全て相手次第だった。だから、今1人なんだろうけど。
今思えば周りに彼氏ができ、彼氏がいる人が普通で、相手も何もいないことな普通じゃないみたいな雰囲気で彼氏を作っていた気がする。
そして、この年齢になり結婚することが普通だと言う思い込みに苦しんでいる。
街コンの予定にソワソワするのは街コンに行くということで少し普通に近づいているというと安心感で嬉しいのかもしれない。
6歳になれば学校に行く、中学卒業して高校生になり、大学へ進学。そして、大学を卒業して定職に就く、いろんな当たり前を当たり前として疑問を持たず人生を歩んでいくのが普通だ。
もし、当たり前から外れれば成功しない限り変わった奴だったり、社会不適合者で終わる。
まぁ、でも本当に1人で生きて貫ければ誰からも何も言われないポジションは獲得できるのだか、それは1部の限られた変わり者だけだ。基本的には結婚しなければならないという固定概念が常に私にもある。
だから、街コンに行くという行動で今まで少しずつずれていった人生を普通に戻すことができるかもしれないと心の片隅では思っているのだろう。そして、これで野田さん、村上さん、陽子と普通に話ができる。でも、本当に周りの人達と同じような生活をしたいのかどうか今の私には分からない。誰も何も教えてくれないし、教えようとはしない。自分にちゃんと答えをくれるのは自分自身の信念と状況だけだ。アラサーまで生きてきて薄っすら思う。
結局、脳内議論したところで今は答えが出ない。気分転換でもして、服でも買いに行かないと……。
街コンもあるし、私服は何年前から更新されていない。年相応な格好にならないと、社会人から外れてしまう。
あと、普通に新しい物が欲しい。だから、絶対に次の休日は出勤しないし、必ず服を買う。
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