第6話
会社2
寝落ちしてしまい、気づいたら朝になっていた。飲み会の次の日はいつもより仕事に行きたくない。最近は飲んだ量、寝た時間に関係なくただダルい。
仕事なんて誰がやっても同じだろとか悪態をつきながらも、ちゃんと起きて準備をし家を出た。
そこそこ名前が知れたところに就職したが、働いて分かったことは企業が有名かどうかは人生に関係ないのかもしれない。
私は絶対いつか辞めてやるという決意はあるがこれといってまだ辞める決め手がない。
そんな生活を変えたいとは思うが、時たまに居心地がいいときがある。あともう少しキツいことがあれば辞めれそうなのになぁと、思いながら満員電車に乗る。
会社は自社ビルを持っており、そこに私の所属している部署がある。本社という響きはいいが、そこまで規模が大きくない企業のため他の社員も含め基本的には本社勤めが多い。エレベーターを使い、自分の所属部署のフロアへ向かう。
部署から課、グループへと細分化されている。同期は、各グループに1人ずつになるように振り分けられている。
陽子とは同じ部署のため毎日会う。街コンに行くということが陽子の中でどれだけ本気か分からないが、本気だったら昼休みくらいに言ってくるだろなと思い、自分のパソコンに電源をつけた。
この会社には謎の15分前出社というルールがある。15分暇だから仕方なくメールのチェックをする。見終わるかなっていう所で、朝礼が始まる。この朝礼に意味があるものならいいけど、意味を感じたことがない。あと、上司が出勤して来たら立って挨拶するルールも訳が分からない。
午前中の仕事は昨日の終わらなかった仕事をする。今日は昨日の仕事を早く切り上げたためいつも以上に残っている仕事が多い。そのため、気づいたら昼休みになっていた。
昼休みは、できるだけ外で食べている。本当は金銭面を考えるとお弁当を作って持ってくるべきだけど、時間もないし、お昼まで会社で過ごしたら本当に社畜になる。
午後の仕事は、昼休みをどう過ごすのは日によって変わる。先輩に誘われたら付いていくし気分がのらなかったら、一人で行ったり、陽子と行くときもある。
今日は、同じグループの先輩である野田さんに誘われたから付いていくことにした。特に決まったお店はないため、その日に食べたいものを優先している。時々お店選びでグダるときもあるが、お店に入り好きな物を頼み、他愛のない会話をする。この時間で愚痴を言ったり好きなことの話をしたりしてる。
お昼休みも終わりになりそうだから、仕方なく会社に戻る。お店を出て会社へ戻る最中、陽子に出会った。陽子は村上さんと食べてた。野田さんと村上さんは同期で、村上さんが育休を取る前までは仲が良かったらしい。
私は陽子に出会ったから陽子の街コンの本気度を知りたかったが、こっちが乗り気だと思われたくないし、先輩もいるのでやめた。
そしたら、村上さんから
「結局街コンは木崎も行くの?」
私に話を振ってきた。少し驚いたが、
「まぁ、興味はあるので、陽子が行くなら行きたいなぁとは」
答えながら村上さんの顔を見た後に陽子の顔も一応見た。
「さっき、お昼で街コン調べてたんだけど、こことかどう?」
陽子が私にスマホの画面を見せてきた。
「一般的なのを探してみてこれがまだ楽かなぁって。ご飯食べて解散で、立食だし」
陽子がスマホを見せながら簡単に説明をした。
「いいんじゃない。じゃあ、ここに申し込みする?」
「じゃあ、申し込みしよ」
分かったと返事をし、本当に昼休みが終わるためとりあえず解散となった。
「街コンに行くの?」
と陽子と離れ、自分達の席に着いたときに野田さんが聞いてきた。
「まぁ、一応。私は付き添いですけどね。」
とにこやかに返した。
「そうなんだぁ。なんか、すごいね」
野田さんが自分の席に座りながら呟くように言ったのを、苦笑いが混ざった相づちでこの会話は終了した。
野田さんは学生の頃に知り合った人と結婚した。子どももでき、育休経て職場復帰と言う、世に言う良い人生を歩んでいる。私は純粋に羨ましいとも思うし尊敬する。
また答えのない自問自答が始まりそうだったので、とりあえず仕事をし始めた。
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