不治の病

つつがなく済んだと思った買い出し。


だが、優美は倒れた。何が起こったかわからないが、それだけが事実だ。


何故?いや、今はそんなことを考えてる暇はない…!


涼は急いでスマホを取り出して救急車を呼んだ。



病室で寝息をすやすやと立てる優美。処置もうまくいったらしく、一安心。そして涼は隣の部屋で、優美の家族に礼を受けていた。


そこで知った。優美は身体が弱い…それも、学校に来れない程度の病状…らしい。


なら、なんであんな花壇の世話を…?気づくと、涼の足は優美の病室へ向かっていた。



病室に入ると、優美は身体を起こして、夕日をじっと見つめていた。まるで大事な花壇に置き換えるように。


「…聞きましたよ。病気の事…」

「あはっ、バレちゃったか。でもね、あの花壇はわたしの命なの。わたしがお世話してあげないと…」


自分でもわからなかった。気付くと、涼は優美の事を抱きしめていた。

「!!…涼…クン…?」

「もっと俺を頼って下さいよ」

「っ!…うん…っ!」

「俺が…支えますから…」

「うん…!!」


涼は優美から身体を離すと、ぐしゃぐしゃな泣き顔をした優美が。



そして二人は初めてのキスをした。

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