4月13日
今日はイスパハルで過ごす最後の日だった。
今日は王子だけでなく女王陛下と国王陛下、年下の第二王子も一緒に、主に城の中や軍の施設なんかを案内をしてくれた。
陛下二人は見るからにすごく仲が良くて、気がついたら手を繋いでいるし名前で呼び合っているしで、微笑ましかった。そんなお二人を見ていたら私もいつか誰かと結婚するのかなと、ふと考えてしまった。
アイデリアの未来のために私は絶対に政略結婚になるのだろうから、こんな風に幸せになれないのかもしれない。そう思ったら胸がきゅっとした。でもそれが私の運命なのだからそんなことを今更考えても仕方ない。
以下に今日聞いた話をメモしておく。
1日目にも少し聞いたけれど、魔術士と剣士、軍師を国の養成機関によって育成しているそうだ。
イスパハルの人々は元々自然への信仰が深く争いを好んで来なかったため、軍の歴史は浅く、あくまで自衛のためという姿勢を取っている。
そして、イスパハルが警戒していたのは隣国カーモスに対しての自衛の目的であったが、近年は友好関係にあり、そこに力を入れる必要はあまり無くなったみたい。
名前も念のためメモ。そういえば、イスパハルやカーモスの人の名前は基本的に古い言葉から取られていて全部意味があるんだって王子が教えてくれた。
下に、←で書いたのが名前の意味。
今日より前に日記に書いた名前の意味も、王子に改めて聞いたから書き足しておいた。
君主…□□□□□□・イスパリア、□□□□□□□□□□□□□(注:損傷が激しく解読できず)
軍部最高責任者…アイノ・キルカス←唯一の
副責任者…シズ・アトレイド←朝焼けの紫がかった空、ヨキ・キャラハン←川
明日で王子と会うことは多分もうほぼ無いだろうな、と考えて、何でそんなことを思いついたのか分からなくて私は慌ててる。王子は私含めて誰にも分け隔てなく接するし、すごく頭もいい。憧れた。でも、そんなにすごいのに、私を頑張ってるって。褒めてくれた。
明日どういう顔で王子と会ったらいいのか分からない。夜中にこれを書いているけれど、まだ眠れない。明日、王子と別れたく無いから、眠りたく無いのかも。ちょっと涙が出てきた。私は女王なのに。こんなこと
(注:日記はここで途切れている)
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