素晴らしい作品

この本は相変わらず独自のスタイルがあり、人物の心理描写がとても優れています。紛らわしい敏感な心情は、青春期の少女の愛憎を反映しており、人物の感情も自然に成り立っています。

天乃の夏澄への感情は間違いなくより強くて明確なもので、小説の冒頭から彼女が夏澄に抱いている感情は先輩後輩や姉妹を超えていることが分かります。でも、その分好きな気持ちが明確で強いからこそ、彼女は常に不安感や失落感を抱えているのです。毎回「胸の痛み」は、自分の感情が報われないと感じたときの苦しみです。このときの彼女は夏澄に対して愛憎入り混じっているのかもしれませんね。とにかく二つは紙一重ですから、だからこそいつも不機嫌な顔をしているし、先輩が好きだと言っても本当に信じられないのです。夏澄の視点から見れば、彼女はずっと天乃に自分の気持ちを伝えようと努力しています。天乃の視点から見れば、彼女もずっと先輩を信じようと努力しています。

あれこれ誓ったり、深情を装ったりする人たちと違って、夏澄は自分の気持ちを大げさに言ったりしません。彼女は自分の天乃への気持ちが姉妹愛だろうと、後輩への愛情だろうと、自分が今本当に思っていることを一生懸命に天乃に伝えようとします。見かけは鈍感で、見かけはわかっていないようですが、「姉妹になりたい」「仲良くなりたい」「天乃と一緒にいたい」という平凡で素朴な言葉には、より真摯で純粋な気持ちが込められています。「明日も君の笑顔が見たい」という言葉は、夏澄が自分の飾らない、雑味のない方法で言った「月が綺麗ですね」なのです。

めでたしめでたし、夏澄はついに自分の天乃への本当の気持ちに気づき、勇気を持って受け入れました。二人は恥ずかしがらずに幸せな生活を送っています。

このような素晴らしい作品を創作してくださってありがとうございます。