第20話

「まあ、そんなわけでドラゴン退治よろしくお願いいたします」

 

「おいおい、さりげなくドラゴン退治を押し付けるな。何が「まあ、そんなわけで」なんだよ。情報が全然足りないよドラゴンの情報が!」


「本当にやっていただける気になられたのですね。ありがとうございます」


「へぇ?え?あ、、、」


「まんまと乗せられてますねカズト」


なんもいえないな。


「やっていただけるのなら話しましょう。命懸けで戦って頂くのですから」


「いや、そこまでは言ってな――」


「退治して頂くのは"厄災"の一つと呼ばれる【紫雷竜】です」


俺の話を聞けや、身勝手で傲慢な奴め、、、はぁ?厄災?ヤクサイ?


「、、、や、厄災は退治できないと思うですけれど。要するに災害みたいなもんだろ?俺なら諦める!俺は絶対に自然には負ける自信がある!」


「僕、そんな下向きな自信ははじめて聞いたよ。でも【紫電竜】の話なら僕でも聞いたことあるね、怒らせると手に終えないって、、、でもこういう話も聞いたことあるんだ、【憤怒の竜】生け贄によって怒り鎮められし。って」


「生け贄?」


「うん、生け贄。だからこの村を襲う理由もそれなのかな?って」


「ブルーはそう言ってるけど、どうなのキイロ」


「ブルーの認識で問題ないです。しかし、その生け贄がなんなのか、彼女が何を求めているのか私にはさっぱり分からないのです」


「彼女?何の話をしてるんだよ」


ゴロゴロ、ビッシャァー!!


「―うおおおおぉぉおお!!?」


「カズト!ブルー!来たみたいです!!」


空から突然巨大な雷鳴り響いた。


「来たってなにが!?嵐か?とんでもね雷鳴だったぞ!?」


「【紫雷竜】が来たんだ……!」


落雷ではなく、【紫雷竜】の怒号であることを知り、退治しようとしている相手の強大さをカズトは知った。


なんだよ!いまの今まで下ネタ、アホネタ満載の展開だったじゃねえーか!なんでいきなり厄災と対峙しないと行けねえんだよ!命なんてかけたくなえーよばーか!!怖ーよ!!


そう自分の運命に怒りを感じてしたカズトだった。

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