第17話
「ひとついいですか?」
「なんでしょうか。なんでも答えますとも」
丁寧な口調と態度のカズト。形骸化したルールであるが、破ったことに反省の色が見える。
「では単刀直入に申します。お二方はこの村をどうにかするつもりはないと、そう考えてよろしいのでしょうか」
「そりゃあもちろん。何もする気わないよ。だよなブルー?」
「滅ぼそう!怖い思いしたし!」
「バカヤロぉぉおおお!!」
魚の体でありながらブルーを叩くカズト。そして頭に噛み付く。
「あの、このバカが言ってることは無視してくれていいので!!!マジで!!!本当に村や村の人に何もする気ないんで!!」
目に力が入る。血走ってるのではと、思うほど力強く熱弁するカズト。魚と言えど迫力は十分だった。
「わ、分かりました。私たちとしても安堵しております」
村長代理は後ろを向いて、村の仲間に対してゆっくりと話しかけた。
「みんなありがとう。ここからは私だけで大丈夫です。私に任せて下さい」
村の人々は村長代理の言葉を聞くと安心したように村に戻った言った。そして海岸の浜辺には人魚、喋る魚。そして村長代理の3人だけが残った。
え。まだ話すことある?なくね。だってさ。もう決着ついた風だったじゃん。これ以上何を話すの?
「改めまして、私の名前はキイロと言います。ここの村長代理をしています。お二方に差し出がましいでしょうがお願いがあります。これは個人的なお願いです」
「なるほど、それでそのお願いとは」
「このカラ村の村長をドラゴンから救いだして欲しいのです」
急にドラゴンとか超急展開過ぎるだろ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます