第17話

「ひとついいですか?」


「なんでしょうか。なんでも答えますとも」


丁寧な口調と態度のカズト。形骸化したルールであるが、破ったことに反省の色が見える。


「では単刀直入に申します。お二方はこの村をどうにかするつもりはないと、そう考えてよろしいのでしょうか」


「そりゃあもちろん。何もする気わないよ。だよなブルー?」


「滅ぼそう!怖い思いしたし!」


「バカヤロぉぉおおお!!」


魚の体でありながらブルーを叩くカズト。そして頭に噛み付く。


「あの、このバカが言ってることは無視してくれていいので!!!マジで!!!本当に村や村の人に何もする気ないんで!!」


目に力が入る。血走ってるのではと、思うほど力強く熱弁するカズト。魚と言えど迫力は十分だった。


「わ、分かりました。私たちとしても安堵しております」


村長代理は後ろを向いて、村の仲間に対してゆっくりと話しかけた。


「みんなありがとう。ここからは私だけで大丈夫です。私に任せて下さい」


村の人々は村長代理の言葉を聞くと安心したように村に戻った言った。そして海岸の浜辺には人魚、喋る魚。そして村長代理の3人だけが残った。


え。まだ話すことある?なくね。だってさ。もう決着ついた風だったじゃん。これ以上何を話すの?


「改めまして、私の名前はキイロと言います。ここの村長代理をしています。お二方に差し出がましいでしょうがお願いがあります。これは個人的なお願いです」


「なるほど、それでそのお願いとは」


「このカラ村の村長をドラゴンから救いだして欲しいのです」


急にドラゴンとか超急展開過ぎるだろ。




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