第16話
「すいませんでした!!!」
「僕もすいませんでした!!!」
2人して土下座。浜辺の上で謝る。人魚と喋る魚の土下座という世にも珍しき光景。
「調子に乗ってすいませんでした!!あの、わざとじゃないんです!!そこんとこお願いします本当に!!」
「そうなんですよ!僕達は、たまたま、そほんの少しだけ通っただけなんで!!いやほんとに!!!」
息ピッタリの2人の謝罪。それを座したまま見る村人たち。まだ怯えている。
「あの、その顔を上げてください」
口を開いたのは村長代理の女性だった。
「え、いいんですか??」
戸惑うカズト。
「はい。いいのです」
「やったぁ!!」
反省の色なく喜ぶブルー。
おいおい、あからさまに喜ぶなよ。反省する気ゼロなのかよ。
「なんていうか、俺達って、あの看板に書かれたルール破ってますよね?やっぱり逮捕なのでしょうか?」
「いえ、捕まえは致しません。あの法律自体形骸化しているので」
「え、本当にいいんだ」
「はい。それに私たちとしましても、無理やり捕まえようとしても返り討ちを受けるだけです。実際人魚にこの村を壊滅させられたばかりです」
「なっ!!」
驚くやいなやブルーの顔を見るカズト。
「いやいや、僕じゃないよ!!信じてくれって」
手を振って無実を主張するブルー。その仕草はやった人のような素振りに見えてしまう。
「実際、村のみんな怯えてるし、お前が覚えてないだけで・・・」
「ちょ、ちょっと信じてくれって!!まあ、したような気もするけど。僕、寝相悪いし」
「おいおい」
(冗談だったのにそういう展開止めろ)
「いえ、この村を壊滅させたのは紫色の髪をした人魚でした」
「あ、そうなんだ」
「あーパプルか、あいつ」
「パプル?何か知ってるのか?」
「え?何にも言ってないよ?」
何がブルーの口から何か聞こえたような気がするが、、、まあいい。
「その時もお二方同様に漁網に捕まってしまい、我々も謝罪したのですが、我々の話を聞いて頂けなく。一方的にでした。幸いにも我々の中に死傷者がてなかったので良かったです」
「うわぁ。パプルやってんな。酒かな」
再び小声で喋るブルー。なんの話だろう。パプルとはなんだろう、名前だろうか。気になるが今は無視だ。どうせ知ったところで巻き込まれるので忘れよう。
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