第15話
「こんな状況であれなんだけどさ、ブルーって偉いの?恐いの?」
カズトはブルーにひっそりと尋ねた。
「”僕”ってよりかは、”僕達”かな?」
「僕達?ってことは人魚がレアってこと?神聖な生き物的な?」
「ううん。レアではなくて、、、まあ、珍しい存在かもなのは確かなんだけど。そんなことより僕らは強いんだ。こう見えて僕達人魚は本気出せば大きな街だって壊せちゃうぐらいに。それに”種族序列”って文化も影響している」
「へぇーなるほど。それでどこから作り話なん?」
「ひ、酷い!真面目に話したのに!·····それでどうするのこの状況。僕としてはどっちでもいいんだけど。怖い目にあったし滅亡させる?」
「おいおい、怖いこと言うんじゃねえーよ!!」
なんて過激なやつなんだブルー。と、思っていると。ある看板が目に付いた。嘘だろ。
「謝ろうブルー」
「え?なんで、なんで!だって私たち悪くないもん!!謝る必要なくない!?」
「あれを見ろ」
カズトの指さす方向。木製の大きな看板。沖からでも見えそうなほど大きいサイズだ。赤色で字も大きい。
『遊泳禁止区域:カラ海岸は遊泳禁止であり何人もこれを妨げない』
ブルーの表情が、青く、名前より深いブルーになった。テンションもブルーだ。
「ルールがあるみたいだ。あれって種族関係ないやつ?」
「う、うん。そうだねあれは人でも、人間でも関係なく当てはまるルールだよ」
「それじゃ、俺たちって犯罪者なんじゃ」
「·····どしようカズトぉ。やっぱり滅亡させようよ。バレなきゃ犯罪じゃない」
「だから怖いって、その破壊的な思考回路!!」
やっと事の状況が理解出来たブルー。そしてそのブルーの状態を見て事の重大さを知るカズト。
やっぱり俺達がが悪いですよね。止めなかった俺も重罪ですかね。いや、でも、俺魚だし。俺は悪くない。
『…これを止めなかった者はより重罪とす。特に喋る魚はより重罪とす』
「そんなピンポイントな法律あるか!!!!」
嘆くと、カズト。2人して罪人となった。
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