第14話
久しぶりの太陽。異世界ではまだ半日も経っていないが、死ぬ前の生活で引きこもっていた俺からすると久しぶりの太陽なのだ。あれ、ていうか、網に引っ張られてから記憶がない。気でも失ったのか。というか周りが、うるさい。っていうか痛い。なんなんだ一体!
「カズト!目を覚まして下さい!!」
「うお!人魚!!ってなんだブルーか。んだよ涙目で。って痛え!顔あたりが痛い!!」
自分では分からないが頬が腫れている。気がする。というか痛い。なぜだ。
「中々目を覚まさないので、叩きました!!もっと叩いた方がいいですか?」
涙目で平手打ちをかますブルー。手を振りあげて再び叩こうとしている。
「なんでだ!もう目覚めてるよ!・・・・・・この状況は一体?」
海岸の浜辺で人々が頭を下げている。海に浸かる俺とブルーに対して。人々の中で唯一顔を上げてるのは短髪で金髪の巨乳。
「この度は誠に申し訳ございませんでした。このカラ村の村長代理としてお詫び申し上げます。処罰はなんなりと。しかし村の、人々の命は奪わないで頂きたいのです」
短髪の巨乳は頭をゆっくりと下げた。
「どいうこと??何があった??」
俺は金髪の少女に対して素直に尋ねた。
「はい、早朝に我々の漁網にお二方が絡まってしました。もちろん、お二方を捕まえる気はありませんでした。しかし、、」
金髪の言葉に戸惑いが見られる。言葉をはばかっているように見える。
「??」
俺は困惑した。これは不慮で不運のちょっぴり不幸な事故で。誰も被害のない、不幸中の幸いな話ではないのか。なんで人々は怯えているのだろうか。てかなんで命とる話になってんの。てかなんで俺、魚なのに陸でも生きてんだよ。ファンタジーだよ。
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