あのうわさ

アレンとエドの二人から愛されて疲れたリルが、ぐっすり眠ったのを確認した二人はベッドからするりと抜け出した。


ベッドの見える位置に置いた椅子に座った二人は


「「あのうわさが本当だったとは」」


「どこまで本当だと思う」


「少なくともあの髪飾りについていた髪は青かった」


「それとこれ、異世界の菓子。チョコレートと言ったか?」


「ひとつわかったのが、あの照明の模様が字であり意味があり鍵だということ」


「ねこそぎ市で同じ物を買った者がいないか調べないと」


「あの照明は・・・・調べさせるより破棄したほうがいいと思う」


「確かに今、あれを扱えるものはいない」


「よく戻って来てくれた。彼女に感謝だな」



「休むか、明日はあのうさぎさん達をみせてくれるみたいだから」


「そうだな」


二人はまた、ベッドに戻った。運のいい一人の胸に擦り寄って来た。もう一人がそれを後ろから抱きしめた。





夢の国では、いくら食べても満たされない者が、狂おしく彷徨っていた。

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