ねこそぎ市でね

「ねこそぎ市に一人で行って買い物して帰ってきたんだね」とエドが言うので


「うん、楽しかった」と答えた。


「どこが楽しかったか知りたいから最初から話してもらっていい?」とアレンが優しくいうので


「うんとお店の人がいろいろ進めてくれたり、おいしい匂いがたくさんしたり・・・」


「どんなものをすすめられた?」


「着るものとか・・・・それと照明ね」


「着るものねぇ」


「似合うとか言われた?」


「そりゃ、言われるよ。買ってもらいたいから、向こうだって」


「これは?」とテーブルに置かれたのはあの髪飾りだ。彼女の髪に付けたのに・・・・やはり夢だった?


「それ・・・・も買った」


「買った?」とアレンが言うとエドが


「誰が?」


「ぼ・・くが・・・・」二人の笑顔が怖い、わかって言ってる・・・


「どこかの誰かが・・・・」


「最初から話してみて」


結局、知らない人がお金を払って、お店の人が僕の髪につけて、夢のなかで彼女にプレゼントしたと白状した。


「夢の中で?」



「最初は白い道を歩いていて、ドレスに血が付いた女の人が現れてね。その人は青い髪をした美人で。ここは夢じゃないよ現実だよとか言って。そこの人たちは餌だって。そこにいるから僕も餌ね。


その人の服についた血は妹さんの血でさっき食べられたって・・・僕が夢って言っても現実だって言うし、僕も目を覚ましたいのに目が覚めないし・・・心配になって。えーーとそれから、照明の模様は字でそれが鍵だって・・・・それなら白い道を戻って字を読もうと・・・・そして彼女が髪をしょっちゅう、こうかきあげるのを見て、この髪飾りをあげたの。僕がつけてあげたの・・・・あっそれから、コンビニの買い物・・・えっと召喚の日に僕買い物したばかりで・・・その時買ったチョコレートもポケットに入れた・・・夢のなかだから無いよね・・・・・


そしたら、出てきて怖いけどよくわからなくて・・・・彼女が食べられて?食べられた?わからない・・・そして目が覚めた」


「夢の彼女は青い髪?」


「うん、青くて透明で綺麗な髪・・・・そこ人みんな綺麗だった・・・・そういえば僕の服も出てきた。あの日着てた服。アレンもしあれがまだあれば今度行った時持ってきたい」



「そうか」


「彼女の名前は?」


「聞かなかった」


「そうか」


「名前聞けばよかった。彼女は現実だって言ってたから」


「そうか、夢でも疲れたんだな。だから目が覚めなかったんだ」


「そうだね、たった一晩だし向こうでは」


「そろそろ夕食の支度をするから、休んでろ」とアレンが言えば


「いや、一緒に作るよ。少し動きたい」


「久しぶりに三人揃ったんだ。一緒にいよう」とエドが笑った。


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