22 浄化の旅
エドワルド目線
リルが疲れたからと部屋に引き取った後、レオを呼び三人で話をした。
アレンをみた時のレオは見ものだったが、俺は説明しなかった。
リルが王宮とか貴族とかかわりたくないと言っているので、その気持ちを大事にすると、三人の気持ちが一致している、誰かが治してくれたことにして、深く話題にしないことにした。
もともとアレンの怪我は内密にされていたので、なんとかなりそうだ。
そしてリルがこの国の瘴気を浄化するのに護衛が何人かいればいいだけと言っているので瘴気の問題がなんだかすごく簡単になってきた。
そういうことだから、おおきな問題はリルの呼び方だった。アレンはイズミと呼ぶし、レオは神子様の板に書いてあったダイスケと呼びたいと言い張った。
これはリルに決めてもらえばいいが、リルは俺の思った通り、リルを選んだ。
それからアレンはあたりまえの顔をしてもとの生活に戻った。
ジョーはアレンをみて喜んで、俺のそばにいるリルをじっとみたかと思うと抱きついていた。
ジョー曰く、どう見てもイズミでしょ見ればわかるそうだ。
リルもジョーを抱きしめて、いなくなったことを謝っていた。それからリルはジョーに言われて髪と眼をもとの色に戻した。
それからあの神子、ダイもまじえて相談した。ダイも瘴気を感じるので探すことはできる。
そこで二手に別れて探すことになった。
そこで俺とリルは前のように二人で森を歩くようになった。
ダイとアレンが見つけた瘴気は大きかったので護衛には騎士団も加わった。それはほんとに大きくてリルは一日で浄化できなかった。リルを二日ほど休ませてそれからもう一度浄化した。リルを野営地で休ませるのは心配だったがリルは平気そうだった。
回復は時間だから寝てる必要はないと、森を歩き薬草を取ったりダイと魔法のことを話したりしていた。
それから二つ程浄化してこの国の仕事が終わった。
その後、ダイを連れて俺とリルは国に戻った。ギルドで登録したダイはあちこちのパーティに誘われて楽しくしていたが、マーチンのパーティに落ち着いた。
俺とリルはこのあたりの浄化が終わると移動した。
ある日、ギルドを通じてダイから連絡があった。
かなり大きい瘴気が見つかったと言うのだ。急いで戻ることにした。
瘴気は本当に大きく、急ぎ騎士団を呼び寄せた。そしたらアレンの騎士団もやって来た。
余計なことをやったやつが、いるようだ。
今回は冒険者の助けも借りて、奥に進んでいった。驚いたのはダイの攻撃力だ。
範囲攻撃をばんばん繰り出している。なぜかリルと両手の平を打ち付け合ってる。
「さすが坊ちゃん。言うとおりにしたらこうだぜ」
「ダイの実力だよ」
なにがどうなったのか?まぁリルとダイ。二人とも当たりってことでいいのか?
今回はリルを休ませる場所として野営地を整備して準備しておいた。
リルは浄化の翌日はそこでたっぷりと寝て、浄化をして、また寝て七日程かけて全てを浄化した。
その間両国の騎士団と冒険者が仲良くなったようで、自己流で剣を使っていた冒険者に騎士団で剣を教えるようにした。
武力の底上げは望むところだ。これも四月朔日の坊ちゃん効果だろうか?
ダイから少しだけ向こうのリルの事を教えてもらった。
なんでも、一番力のある家で、王でも領主でもないが・・・シャチョーとか、ダンナとか・・ワタヌキ様とか・・・一番の家で、なんでもしてくれる、なんでもできる。
偉いけど、偉ぶらない。普通に話して良いけどそれが難しくて・・・丁寧になってしまう。さすが坊ちゃん・・・らしい。
まぁよくわからんが、ダイはリルを尊敬しているらしい・・・地元の誇りとか・・・
そのリルに魔法の使い方を教えてもらったら、上手になったらしい。
なんでもダイにしかできない方法だとリルが言ったそうだ。
この浄化が終わると俺とリルはまたあちこちの瘴気を探す旅に戻った。
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