第19話 尊い犠牲のもとに・・・
どんな状況下でも、いつの時代でもどの地でも、誰かが世に出るということには、それに比例するだけの、陰ながらの犠牲というものがつきものである。
突如何が言いたいのかと言われそうですけど、今回は、その「犠牲者」というべき人に焦点を当てて、論じてみたいということで。
この映画で描かれている登場人物の中に、前回述べた陶器職人のおじさんの娘さんという人物がいます。
彼女は、かの主人公に頼まれていた釉薬を入手するために大阪に出向いていた折に空襲に遭い、犠牲になった。
そのことで、まあ物語上のひと悶着があるわけですが、その内容についてはここでは触れません(是非とも、作品を観てね)。
問題は、陶器職人の娘さんのような名もなき人物の「犠牲」によってこそ、いわゆるエリートと言われる人たちは、「生かされて(決して「活かされて」いるわけではない)」いるのだということなのです。そこをこの「太陽の子」では、かのウランの黄色い粉とともに、鮮やかというよりはむしろさりげなく、描いています。
彼女は、そういった人たちの言うなら「象徴」のような存在として、この物語に登場しておるのです。
翻って、私の人生においても、それを痛感させられるようなことがありました。
それは、次回以降で書いて参ります。
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