第14話 透明な一升瓶と戦時中舞台の映画の関係について

 私が(黒崎博君もだが)小学6年生だったのが、1981(昭和56)年のこと。

 今から40年以上前ってことになるわな。

 その年、映画「連合艦隊」が公開されました。

 今回はそれが主題ではないので、その論評は致しません。


 さて、先程述べた映画「連合艦隊」ですが、戦艦大和を旗艦とする艦隊が沖縄に向かうシーンがいよいよ映画もたけなわとなった頃に出てくるわけですが、その決戦前夜の「宴(うたげ)」のシーンがありまして、その宴(そう言っていいのかどうかはどうも疑問ではあるが)では、乗組員の皆さん、酒も飲まれるわけですけれど、その酒瓶の全部ではなかったはずだが、無色透明の一升瓶が出てくるのであります。

 その透明な一升瓶ってのも、ないわけじゃないのだが、日本酒の一升瓶って、最近はどちらかと言うと、透明よりも茶色や緑色のイメージがあるのよね。

 少しネットで調べてみたら、どうも、日本酒は紫外線に弱いらしく、酒の品質が悪化するため、色を付けるのが多いらしい。

 ただし、まったくないわけでもなく、純米吟醸酒とか何とか、それ以上に「鮮度」を重視する酒については、透明なものに入れる場合もあるみたいよ。そうそう、大先輩のご家族に岡山県北の酒屋をされている人がいてね、濁り酒をいただいたことがあったけど、あれは確か、透明の一升瓶だったように記憶しております。


 しかし、戦前の、それも、戦時中の飲酒シーンって、何でかよくわからんけど、透明の一升瓶のイメージが、私には強いのよ。

 今回の「太陽の子」にしても、かの主人公の兄弟が飲む酒というのがなんと、透明な一升瓶で、銘柄のラベルも貼られていないのよね。おそらく、配給で入れてもらった酒ではないのかな、と、私は読んでいるが、そうなのかどうかは不明。

 もっとも、「連合艦隊」のシーンでは、ちゃんとラベルが貼られていた記憶があるのだけど、これは、撮影された年代もあるのかもしれません。

 ひょっと、あるいは、スポンサーの関係とか、ね。


 まあそこは、本質的にどうこうというところでもないから、あまり目くじら立てるところでもないのだろうけど、何だか、あの透明の一升瓶って、印象に残るのよね。


 それは、私が酒飲みだからなのかもしれませんってことで、拙文のオチに。

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