ウグイスだにのこどもたち
自称小説家
ウグイスだにのこどもたち
ひとざとはなれたここは、ウグイスやまのふもとのウグイスだににあるウグイスたちがすむ、ちいさなちいさなウグイスむらです。
そのちいさなウグイスむらから、すこしおくにはいったところに、ウグイスのこどたちがかようウグイスがっこうがあります。
そのがっこうではそらにはばたくれんしゅうや、おおきくなっておうちをつくるれしゅうなんかをしています。
そして、なかでもいちばんむずかしいのが、ほーほけきょときれいになくれんしゅうです。
ホースケくんは、このほーほけきょとなくれんしゅうがとてもにがてです。
なんどやってもなかなかうまくできません。
このほーほけきょとなくれんしゅうがあるひはがっこうにいきたくありません。
ほら、きょうもホースケくん、がっこうにいきたくなくておふとんからでてきません。
「ホースケ、おきなさい。
あさよ」
ホースケくんのおかあさんがよんでいます。
ホースケくんはきこえないふりです。
こんなちょうしでおふとんからでてきません。
「ホースケくん、がっこういこう。」
なかよしのおともだちのケッコウくんがさそってきました。
ケッコウくんはつづけていいました。
「ボクうまくなけるようになったよ」
そうゆうと、ケッコウくんは、きれいなこえでなきました。
「ホーホー、ホーホケキョ」
ホースケくんはあまりにおともだちのケッコウくんがキレイになくので、びっくりしてまどからかおをのぞかせましました。
「ケッコウくんどうやってなけるようになったの?」
ケッコウくんは、こたえました。
「おしえてあげるからいっしょにがっこういこうよ」
ホースケくんはごはんもたべずに、あわてていえをとびだしました。
がっこうにいくあいだもふたりはホーホーホーホケキョとなくれんしゅうをしています。
がっこうについて、いよいよなくれんしゅうのじかんがやってきましました。
ホースケくんは、だいぶなけるようになったのですがほかのこどもたちとくらべたまだまだです。
そこへいつもいじわるをするキョキョくんがやってきましました。
「おい、ホースケおまえあいかわらずなくのヘタだな。
おれのほうがじょうずだぞきいてろよ」
そういうと、
「ボーボーボーボゲギョ」
けっしてじょうずとはいえないなきかたです。
まるでわざとのどをおさえてへんなこえをだしているようです。
じまんするかのようにひとなきするとれんしゅうもしないですなばであそびはじめました。
じゅぎょうのおわりにせんせいが話しはじめました。
「みなさん、れんしゅうよくがんばりましたね。
いまからどれだけうまくなったか、ひとりひとりじゅんばんにホーホケキョとないてもらいます。
できなければ、できるまでのこって毎日れんしゅうです」
そしてせいとは、ひとりひとりせんせいのまえではっぴょうをしていきます。
そしてつぎは、ケッコウくんのばんです。
「ホーホーホーホケキョ」
みごとにごうかくです。
いよいよホースケくんのじゅんばんがきました。
すると、キョキョくんがホースケくん
にまたいじわるをいってきました。
「どうせホースケのくせにできるわなないぞ」
ケッコウくんは、ホースケくんをはげますために、こういいました。
「ホースケくん、だいじょうぶだよ。
れんしゅうどおりやればうまくできるよ」
ホースケくんは、おおきくいきをすいこんで、おなかにちからをいれて、
「ホーホーホーホケキョ」
みごとにきれいなこえでなくことができました。
ごうかくです。
ケッコウくんは、ホースケくんがごうかくしたのがじぶんのことのようにうれしくて、ホースケくんにちかよると、
「よかったねごうかくできて、こえもおおきくきれいだったよ」
ホースケくんもうれしくて、
「ありがとう、ごうかくできたのはぜんぶケッコウくんのおかげだよ」
キョキョくんは、ホースケくんがごうかくできたのがおもしろくなくていやみをいいました。
「ホースケのくせになまいきだ」
そして次は、キョキョくんのじゅんばんです。
キョキョくん、あそんでばかりいたのにだいじょぶかな
キョキョくんは、自信ありげに
「ボーボーボーボゲギョ」
せんせいはキョキョくんにもういちどなくようにいいました。
「ボーボーボーボゲギョ」
やはりうまくなけません。
せんせいはうまくなけないキョキョくんのそばにいき、いいました。
「キョキョくん.きみはみんながれんしゅうをしていたとき、なにをしていましたか?」
キョキョくんはなにもいえません。
つづけてせんせいはいいました。
「すなばでずっとあそんでいましたよね。
だからうまくできないのですよ。
きょう、ごうかくしなかったのはあなただけです。
きょうからまいにちのこってれんしゅうしなさい。
では、またあした、がっこうであいましょう。
さようなら」
そういうと、教室からでていきました。
そして、ほかのみんなもかえっていきました。
キョキョくんひとりでいのこりです。
それをみていたホースケくんと、ケッコウくんは、なんだかかわいそうにおもいキョキョくんにこえをかけました。
「ねえ、ぼくたちもいっしょにれんしようか」
せっかくふたりがやさしくはなしかけてくれたのにキョキョくんはしらんかお。
しかたなくふたりはかえっていきました。
ひとりになったキョキョくんは、なんだかさみしくてたまりません。
「やはり、れんしゅういっしょにやっておしえてもらえばよかった」
キョキョくんはそうおもいながらひとりでれんしゅうをしました。
つぎのひのゆうがたも、キョキョくんはひとりでいのこりです。
すると、きょうもホースケくんとケッコウくんがはなしかけてくれました。
「ひとりでいてこわくない。」
すると、キョキョくんは、てれくさそうにいいました。
「うん、いっしょにれんしゅうしてもらっていいかな」
ホースケくんとケッコウくんは、ニコリとわらって、いっしょにれんしゅうをはじめました。
つぎのひ、せんせいはキョキョくんにいいました。
「キョキョくんうまくなけるようになったかな」
そうゆうと、みんなのまえにたたせてないてみるよういいました。
「ホーホーホーホケキョ」
みごとにきれいになくことができました。
せんせいはキョキョくんにいいました。
「うまくなけるようになりましたね。
よくがんばりました。
ごうかくです」
みんなは、いっせいにてをたたいてくれました。
キョキョくんははずかしいとおもったけど、ついうれしくてニコニコえがおがでてきました。
そしてそのひのゆうがたのことです。
キョキョくんはホースケくんとケッコウくんに、いいました。
「ねえ、ふたりともおしえてくれてありがとう。
そして、いままでいじわるしてごめんね。
きょうからぼくもいっしょにかえっていいかな。
そうだ、これからきみたちをいじめるひとがいたらぼくがこらしめてやる」
ホースケくんとケッコウくんはいいました。
「いいよ。
いっしょにかえろう。
でもぼくたちだけでなくいじわるされているひとたちがいたらみんなでたすけてあげよう」
キョキョくんはいいました。
「うん、わかった」
ホースケくんと、ケッコウくんとキョキョくんは、そのひからまいにちいっしょにがっこうからかえりました。
おしまい
ウグイスだにのこどもたち 自称小説家 @katuyakunn
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