4話 クレソンのひと時4

クレソンとルーベン、グレタとトッドで2手に別れて、映画を観ることになった。グレタとトッドが「タクシーのひと時」、クレソンとルーベンが「ドアマン・ファミリー」を観ることになった。




クレソンは観る前にトイレに向かう。




おい、クレソン! 早くしろよ!




わかってるよ!




と、2人は入場した。






グレタ&トッド側






トッドはタクシーのひと時をみて泣いていた。メソメソと犬のくぅーンという声のように。さらにメガネをとり、眼を擦る。




その横でグレタはポップコーンをカリカリカリッと音を立てながら、タクシーのひと時を観ている。




顔はスンとしていた。




2人はひたすら映画を観る。






クレソン&ルーベン側






なあルーベン? このドアマンはなんで泣いてるんだ?




さあ? 親が勝手にプリン食べたからじゃね?




は? なんだそりゃ?




などと話しながらドアマン・ファミリーを観ていた。




おい、ルーベン。




なんだ?




ちょっとトイレ行ってくる。




ちょっとまて! 俺もいく。




そうか、なら来い。




2人は一時映画から離脱し、トイレに行くことにした。




開場を出ると、2人は話した。




ルーベン、ドアマン・ファミリーどうする?




え? あ〜、えーと?




えーとじゃないよ! つまんないじゃないか!?




うを!?




なにがプリン食べたかったエーン!だよ!? 全然つまらないぞ!




あ、まあそうだな。




とりあえず、戻るか。




え、戻るのか?




なんだ? 行かないのか?




だってつまんないもん。




あのな元を言えばお前がこの映画を見たいって言ったんだろ?



だって! 広告が面白そうだったし、クレソンがタクシー見たくないって言うから!




それをなんて言うかわかるか? 広告詐欺だ。


あと俺のせいにするな。やはりちょと考えるべきだったな。




たしかにな。




どうする? おれはもう満足だ。




うーん。




あと上映時間何分だ?




えーと、でも後30分ってところかな。




ならもう終盤か。ルーベンもういいんじゃないか? 近くに喫茶店あったろ? そこ行くぞ。




グレタ達にはメールしとくよ。




いや、状況言うのはやめよう。なんか言われそうで怖い。




そうだな。




一方グレタとトッドのほうは、変わりなくトッドが泣いていて、グレタはひたすらポップコーンをたべていた。しかもあの大きなポップコーンを1人で黙々とたべていた。








30分以上が経って、タクシーのひと時の上映が終わり、グレタ達が出てくる。




面白かったな。




と、トッドが言った。




あっそ。




なあ? クレソンとルーベンはもう出たかな?




さあ? ケータイみてみて。




トッドはケータイのメールを見る。




いやなにもないな。




そう。少し待つわね。




すると、クレソンとルーベンがやって来る。




よう! トッド、グレタ!




あら? 2人とも、何してたの?




すまんすまん! カフェ行ってた。




はあ? カフェですって? なんで?




とりあえず出ようぜ、また話す。




4人は映画館を出ることにした。




それで? なんでカフェに?




それがな、あの…… ルーベン、お前が言えよ。




な、なんでだよ。




どっちでもいい!!




わかったよ! 俺がいうよ! ルーベンめ!




はい! 話して。




あのドアマン・ファミリーは最悪だ! つまらない。




あら、そうなの? ちょっと面白そうだったから今度行こうと思ったのに。


ああ。それで、途中で抜けて時間潰しにカフェに行った。




なるほどね! 帰りましょう!




あ! 私、あそこ行かないと。




あ〜 あの美術館ね。




それはそうと、そっちは映画どうだった?




くそよ!




え? グレタ待ってくれ。泣けたぞ?




どこが?




え、あのタクシーの運転手が離婚して階段で転んで入院するところとか。




普通じゃない?




まあ、どっちの映画もつまらなかったんだな。




そうか? おれは良かったけど。




お前の感性はゴジラ並だからな。




ルーベン、次はもっと面白いもの観よう。




そうだな。




そうだ、一緒にいく?




え? あの切手の?




そうよ、クレソン。




まあ行く予定だったしな、行くか。




おし!




あ、その前に買い物する。コーヒーが切れたんだ。




そうだ! 今日、コーヒー飲もうとしたら無かったわね。




そう! だからそこのお店で買う。




わかった。




そこの紅茶&コーヒー専門店だ。




4人はその店に入った。




やあ、ルバーブ。




ん? やあクレソン。




この男性はルバーブ・ミラーさん。アービングにある紅茶&コーヒー専門店「ボヒー」の店主だ。老人で、年齢が63歳だそうだ。1歳年下の奥さんと一人息子と経営している。




今日はなにをお探しで?




いやいつもの紅茶を。




そうか。これだな?




そうそう!




と、クレソンはその紅茶を買った。2缶買った。




さて、3人ともすまない。行こうか切手の美術館に。




映画は2つの作品ともあまりつまらなかったようだ。



4人は歩き始めた。


先程の映画館の近くにある切手のお店に行くことにした。クレソンは美術館なんて呼んでいる。

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