デスゲーム初心者/お題:見知らぬゲーム/制限時間:15分 ※未完
目が覚めるとそこは真っ白な空間だった。体が痛い。なんとか上体を起こして記憶を探るが、どうして自分がこんな場所にいるのか全く思い出せない。
「なんなんだ……?」
周囲を見渡すと、他にも人が倒れているのがわかった。何人かいるが、どの人も知り合いではない。倒れていた人々は次々に目を覚まし、やはり俺と同じように記憶がないようで、首を傾げている。ざっと三十人の男女が白い部屋に集まっている。何事かと話していると、突然、天井からあーあーと人の声が聞こえてきた。ボイスチェンジをしようしているようで、異様に低く不気味な声だ。
「き、聞こえてますかね……?」
その不気味な声とは裏腹に、ずいぶんと不安そうに天井から声が響いた。
「……」
俺たちは答えない。互いに顔を見合わせるだけだ。
「え、聞こえてない?えっ、えっ、どうしよ……使い方わかんねえんだよなこれ……」
「あのー、聞こえてますよ」
慌てた様子の声の主が可哀想になって、俺は思わず返答する。一瞬静かになった後、スピーカーから咳払いが聞こえてきた。
「ごほん、えー、今からお前たちには殺し合いを始めてもらう。そのルール説明をするからな」
「はあ」
どうやら俺たちはデスゲームをするらしい。しかし誰も本気にしていないようで、のんきにあくびなんかしている。
「えー、台本の5ページ?うわ長!これ全部説明すんのかよ……」
ぼそぼそと独り言が聞こえる。思うに、このゲームの主催者はこの声の主ではないようだ。
「めんど……てか、なんで俺がこんなことしなくちゃいけねえんだよ。ねえ、参加者さん、ドア開けてあげるんで帰りません?俺だってこんなことやりたくないんすよ」
「え、まあ、そうしてくれるとありがたいですが」
「あ、じゃあ開けますね。えーっと、ボタンは……」
しばらく待ってみるが、何も起こらない。不思議に思っていると、スピーカーから銃声と悲鳴が聞こえきた。
「……」
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