明日がんばるための傷です。たぶん/お題:限界を超えたガール/制限時間:15分

※自傷の描写があります。


「はあ……今日も疲れたな」

学校から帰ってきて、自分の部屋にこもる。ドアを閉めて、もたれかかった。

「……」

明日も今日が繰り返されるんだろうな、とぼんやり思う。明日も学校に行って、帰って、こうしてまたドアにもたれかかってその次の日のことを考えるんだ。そうして暗い気持ちになる。

「疲れたな……」

この疲れが癒やされることはないのだろう。生きている限り。それを今さらどうにかして取り除こうだなんてすることは諦めた。結局、何も変わらないのだ。生きていかなければならないことは変わらないのだと、何度考えても同じ結論に至る。

「それにしても、だな。辛いのにも変わりないんだからタチが悪いよね」

ぽつりと呟いて、あざけるように一人でにやっと笑う。他のみんなが健全にやっていけているのが不思議でならない。私はこんなにも辛いのに?それとも、弱いだけですかね。ただ、私が、弱いだけ。

体を起こして、机の上に広げられた参考書をどかす。隠すように置いてあったカッターを手に取って適当に腕を切る。血で刃の先が赤く染まった。

「どうせなら青い血が流れていればよかったのに。そうしたら私だけが特例として許されたのにね」

腕のまるみに沿って伝う真っ赤な血をしばらく眺め、落ちそうになったところで口元を近づけて吸う。鉄の味だ。

「……明日も頑張らなくちゃなあ」

傷を広げないように小さく伸びをした。

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