本人登場/お題:殺されたデマ/制限時間:15分
「なあ、お前さん知っとるか?あの例の連続殺人犯が殺されたんだとよ」
ラーメン屋でラーメンを書き込んでいると、隣に座った知らないおっさんがそう話しかけてきた。
「殺されたって、誰に?」
「さあ?そんなのは知らんよ。おおかた被害者の家族じゃあねえか?それで、その殺し方ってのがまた酷くてよ。頭を潰されて、見つかった時には男か女かもわからねえくらいだったとか」
「ふーん」
俺はどんぶりの汁を飲み干す。世間はその連続殺人犯の話題で持ちきりらしいが、俺は正直興味がない。
「あんた、ニュース見てねえのか?」
「ああ、仕事が忙しいんだ。しかし、顔が潰されて誰かもわからないのに、どうして殺されたのがその殺人犯だってわかったんだ?たしか、まだ顔も割れてなかったはずだろ」
「でぃーえぬえー鑑定ってやつだよ。それに、今までの犯行からおおまかな体格も割り出せていたらしいからな」
「はえ〜。やっぱり、技術の進歩ってのは」
俺はラーメンを食べ終え、席を立った。店長にごちそうさんと声をかけ、代金を放り投げる。店を出る時、ちらりと横目で見た間抜けなおっさんの顔が面白くて、思わず笑ってしまった。
「技術の進歩ってのは、あてにならないもんだな」
俺は大きく伸びをして、街へと繰り出した。今日の仕事も捗りそうだ。
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