魔王の趣味/お題:フハハハハ!それはヒロイン/制限時間:15分
「姫、助けに参りました!」
ついに勇者は城の内部、魔王の間へと辿り着いた。趣味の悪い装飾が施された魔王の間には、口をふさがれた姫とその執事が囚われていた。勇者は、国王の命令により、魔王によって連れ去られた二人を助けにきたのだ。
そして囚われた二人の傍には、魔王が仁王立ちしていた。
「よくぞ来たな、勇者よ」
「御託はいい。はやく解放してもらおう」
勇者が剣を構える。決戦の時かと思われた時、おもむろに魔王が姫の元へと歩いていき、姫を繋いでいた金具を外しはじめた。
「……なにをしている?」
「解放してほしいのだろう?お前の望み通り、姫を解放してやろう」
自由の身になった姫は少しの間ぽかんとし、それから我に返ったように勇者の元へ駆け出した。
「何を企んでいる?」
「企み?ハッハッハッハ!逆に聞くが、いつから俺の狙いがその姫だと思っていた?」
勇者ははっとし、未だ囚われたままの執事へと視線を向ける。
「貴様……!」
「ヒロインはお前にくれてやる。その代わり、この執事は俺が美味しくいただくとしよう」
執事ががくがくと震えだす。
「ああそれとも……勇者、お前のことも食べてやろうか?」
勇者の顔からさっと血の気が引いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます