(二)-17

 そんな下赤塚に声を掛けられても「うるさい」「バカ」「死ね」などと繰り返し言ってやっているにも関わらず、毎回何かしら話しかけてくる迷惑千万なヤツだった。

 その上、このクラスのギャル三人組がこの下赤塚の回りに近づいてきて、仲良くしていた。いや、もちろんそれは私にとっては好都合なのだが、この三人も、私のことを同類と見なしているらしく、私に声をかけてきた。下赤塚がやたらと私に声を掛けるからだ。

 つまり、私は休み時間中、下赤塚とこのギャル三人によるコミュニケーションの嵐で身動きが取れないでいた。

 おかげでこの一週間、ターゲットの情報はほとんど入ってきていない。大人しいコウジ君とカップリングできる女子を見繕わなければならないのに!


(続く)

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