(二)-9
そう考えながら歩いていると、自分の一年五組の教室の隣の隣、つまり一年三組の教室からちょうど廊下に出てきた女子生徒とぶつかりそうになった。
小さな悲鳴とともに「ごめんなさい」と小さい声で私に言うと、「あれ、ひょっとして、アサカちゃん?」と続けてきた。
その声に、少女の顔を見ると、そこには東松山チハルがいた。
お下げにメガネをかけたチハルは同じ三中出身で歌唱部だった子だった。そのときのターゲットが、ちょうど歌唱部の女子生徒で、チハルには色々手伝ってもらったことがあったのだ。なるべく人間関係を深入りしたくはなかったので、卒業後の進路については曖昧にしておいたまま卒業を迎えたのであった。
(続く)
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