(二)-10
だからチハルは同じ学校に来たことについて驚いているのだろう。しきりにメガネの縁を押し上げたり、私の手を取って上下にぶんぶん振り上げたり振り下げたりしながら、キャーっと小さい悲鳴を上げつつ笑顔を大量にこぼれ落としまくりながら「なんでここにいるの?」と何度も尋ねてきた。
普段は周囲から大人しい子と見られている彼女の、妙にはしゃぐ姿に圧倒されて、私は苦笑いしつつも「久しぶり」と返すので精一杯だった。
なんとか「また後で会おう」と笑顔でほとんど空手形でもある社交辞令的な約束をしっかりと交わし、なんとか彼女と別れ、肝心の玉淀コウジの捜索を再開した。
(続く)
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