第4話 米軍、沖縄に上陸

米軍は、ついに沖縄に上陸してきた。

宮里は気が気ではなかった。

家族は、そして、由紀子は無事なのだろうか?


空挺部隊に、新たな任務が与えられた。


「我が空挺部隊は、米軍が上陸中である沖縄の嘉手納飛行場、および読谷飛行場に降下し、敵飛行機、および資材の破壊を行う。任務終了後は、北東の山地でゲリラ戦を展開し、敵飛行場への破壊活動を継続する」


具体的な命令が出たことに、隊員たちは大いに喜んだ。

何より、一番喜んでいたのは宮里かも知れない。


「沖縄に帰ってくる」

由紀子や家族と交わした約束を守ることができるのだ。


そして、飛行場での任務が終われば、沖縄での地上戦に参加できる。

自分の家族や恋人を自分で守ることができるのだ。


宮里たちの部隊は沖縄への出撃を行うため、熊本にある健軍基地へと移動した。

健軍飛行場には、続々と空挺隊員や大型爆撃機が集まってきた。

また、機関銃や爆弾など、たくさんの兵器も集められた。


今までは、小銃を使った射撃訓練ばかり行ってきた。

しかし、今回の任務では、宮里たちに機関銃が割り当てられた。


機関銃を背負って移動する訓練も行われた。

かなりの重さがあり、また、携行する弾薬も多いため、屈強な隊員たちでも初めは思うように動けなかった。


しかし、日頃、体を鍛えていたこともあり、機関銃を持っての移動や取り回し、そして射撃の腕前も日々、上達していった。


投げつける爆弾ばかりでなく、磁石型の爆弾も配付された。

信管を作動させてから10秒で爆発する。

敵機の機体に付けてから要領よくその場を離れないと、敵機と一緒に吹っ飛んでしまう。

これも、飛行場に実際に航空機を並べ、機体のどこに付け、どのように移動していくかの想定訓練を何度も行った。

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