お前…
「はじめまして。俺は高藤渚。よろしくな」
渚は点滴のスタンドを転がしながら恐る恐る俺のベットの上にちょこんと座った。
「渚くんは何歳なんですか?」
「俺は14だけど?風吹は?あと敬語じゃなくていいから」
俺よりは年下だろうと思っていたから別に聞く必要は無かったけれど一応聞いてみた。
「14だよ!同い年なんだね!!」風吹はニコッと微笑んできた。
「????まじかよ…12くらいに見えた…お前童顔なんだな」何だか下から目線で俺のことを見てくる風吹が可愛く見えてきたので頭をワシャワシャと撫でてやった。
「お前のことなんて呼べばいいの?風吹?ふぶきちゃん?」
「僕女の子じゃないし!」そう言って風吹は頬をプクッと膨らませた。リスみたい…かわいい…
「冗談だよww分かった。風吹ね、俺のことも渚でいいから」
「渚くんはサッカーできる?」
「俺、一応サッカー部に入ってるからできるよ。でもまだ全然上手くないけど」そういった途端、風吹が目を輝かせた。サッカーが好きなのだろうか?
「今度僕にもサッカー教えて」少し照れくさそうに言った風吹はなぜか悲しそうに見えた。多分俺の気のせいだと思う。
「俺肩骨折してるから治ったらな」
風吹はこくこくと頷く。
いつの間にか真っ暗だった夜は更けていた。
ふと窓を見ると、オレンジ色の澄んだ朝日が霧がかった空気を照らしていた。
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