第3話
「ど、どーしたん!? らしくないよ、そのカッコ……」
夜は洗いざらしの清潔な浴衣を端然と着込んで寝るのが常で、和服以外の格好をめったにお目にかからない。
にもかかわらず、目の前に立っている彼は、カラダにピッタリ寄り添うボンデージまがいのライダースーツを素肌に直に身につけているのだ。
しかも、首元から一直線にヘソのあたりまでジッパーがおりて、研ぎ澄まされた刀剣のようにムダのないシャープな筋肉質をイヤミなくらいに見せつけている。
「そう? キミが喜んでくれると思ったのに」
「はああああ!? んなワケねーっつーの!」
しっとりした
「ドレスコードは、ちゃんと守んなきゃな」
そう言うなり、端正な白い指を「パチン」と鳴らした。
とたんに、双子の衣服はパッと早変わりして、均整のとれたしなやかな肢体に、洗練された
同時に、ザワザワとしたアイマイな
ヨハン・シュトラウス2世のワルツ、『春の声』。
明るく軽やかで優雅なメロディー。
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