1.強欲悪女に転生してしまったようです
ゆっくりと目を開ければ、真っ赤に
「わっ……まぶし……」
何度か
こんなにも
「えっ? な、なにこの服!?」
やけにふかふかなベッドで
けれど、その服は
「な、なに、ここ……」
そして顔を上げれば視界には、広くて豪華な外国の貴族のような部屋が広がっていた。
全体に赤と黒で
なぜ私はこんな格好をしてこんな悪趣味な部屋で寝ていたのだろうと、
「お
「……えっ? うわあ!?」
声を
深い海のような青い
「あ、ああ、あなた、
「えっ?」
「ここ、どこですか!? ど、どうして、は、半裸で立っているんですか……!?」
悪趣味な部屋に、半裸に近い姿をした変態(私)と半裸男性がいるこの
「まさかあの男に
「襲われ……?」
やはりよく分からないけれど、とにかく服を着てほしいと言えば、男性はすぐに側に
その服装はまさに
「グレースお嬢様、俺のことは分かりますか?」
「い、いいえ、まったく」
なぜグレースお嬢様と呼ばれているのかも分からず、首を左右に
すると男性は驚いたように、形の良い両目を大きく見開いた。
「やはり
「ごえいきし」
「はい。ここはセンツベリー
「??????」
私の理解を
「グレース・センツベリー……?」
その名前には、覚えがある。『運命の騎士と聖なる
そうだ、確かグレースはちょうどこの髪みたいに、
「えっ? えええ?」
そこで私はようやく背中に流れている自分の髪が、長く美しいピンク色になっていることに気が付いた。
よくよく見ると身体だって、本来の私のものよりもずっと白くて細くて、スタイルがいい。明らかに自分のものではない身体に、ぞわりと
「か、鏡とかってあります……?」
「はい。こちらに」
私は近くにあったローブを羽織ると、エヴァンさんが指し示した全身鏡の前へと移動し、言葉を失った。
鏡に映っていたのは、息を
「な、なんで……わあ、
ぺたぺたと自分の
そんなことを数分間続けた末、私はようやく自分が
「もしかして、あの時……」
必死に思い出してみると、最後の記憶は特売のあった
元々の私はきっと、あの事故で死んでしまったのだろう。
深呼吸をし、改めて鏡
イラストはなかったけれど、グレースにはいつも
驚きや信じられない気持ちで顔を青くする私を見て、医者を呼んでくるというエヴァンさんを慌てて引き止めた。
新たな人間と会う前に、状況を整理したい。
少し質問をしていいかと尋ねれば、エヴァンさんはいくらでもと
色々と聞きたいことはあるけれど、まずはこの世界が本当に小説の中の世界なのかどう
かを確かめることにした。
「ええと……ゼイン・ウィンズレット様を知っていますか?」
「はい、もちろん。このシーウェル王国の筆頭
その返事を聞いた瞬間、確信してしまう。
ここは
「ど、どうして私が……こんなことに……」
――元々の私はしがない日本のOLで、
両親のことは大好きだったし、私も
数円でも安い食材を求め、仕事終わりに隣町のスーパーまで自転車で向かい、休日の
そんな私の一番の趣味であり
そこで『運命の騎士と聖なる乙女』シリーズに出会ったのだ。
「まさか私が、グレースになるなんて……」
一方、私が転生してしまったグレース・センツベリーは大金持ちの
その結果、何でも
美しいものが好きで特に薔薇と宝石、綺麗な顔をした男性が何よりも大好きだったはず。
よりによって、どうしてこんな悪女になってしまったのだろう。どうせ転生するのなら、天使のように
そんなことを考えていると、じっと私を見つめていたエヴァンさんは首を
「公爵様を覚えているということは、完全な記憶喪失、って訳ではないんですか?」
「そ、そうですね、
「なるほど! それにしてもお嬢様っぽくなくて、全くの別人と話している気分です。俺なんかに敬語もさん付けもやめてください。どうかこれまで通りエヴァンと」
「わ、分かったわ」
仕事や趣味に
それでも記憶喪失という設定なのだし、元のグレースとの関係を考えれば、彼の方が落ち着かないだろう。私は小さく
「今って何年の何月? 最近大きな出来事はあった?」
「本日はシーウェル
第一王子の結婚を機に
グレースはその点も利用して、ゼイン様に近づいた記憶があるため、きっと今は小説の
「その、私が襲われたっていうのは……?」
「お嬢様とお付き合いされていた伯爵令息が、ゴミのように捨てられたことで逆上し、夜会中に『一緒に死のう』などと言ってお嬢様をバルコニーから突き落としたんです。命に別状はないといえど、こんなことになるなんて……」
「本当にどうしてそんなことに……」
小説の中で、そんな出来事はなかったはず。やはり端役のグレースについては、主役二人に関係していない出来事は書かれていないのかもしれない。
この先グレースの身に何が起こるのか、大半は分からないと考えてよさそうだ。
何より無理心中だなんて、昼ドラレベルの
この先もグレースが過去に付き合いのあった男性達にそんな目に
「ちなみにあのベッドの上の、天井の
「あちらはお嬢様が『目が覚めた瞬間、一番に見るのは美しいものが良いわ』と仰って作らせたものですよ。あれだけで王都に
「な、なんてもったいないことを……」
その金額を想像し、|眩暈(めまい)がした。天井に
今着ている
あまりの金銭感覚の違いに、変な
私が寝る時なんて、中学時代の運動着であるジャージを
「エヴァンさ―― エ、エヴァン、色々教えてくれてありがとう」
やはり男性を呼び捨てにするだけで、体力を
「いえ。あ、お嬢様が目覚めたことを主治医に知らせてきますね!」
記憶だけでなく身体にも異常がないか
その後、
オブジェのように半裸で部屋に立たされているのが当たり前だったエヴァンにとって、一人にしてほしいというのは初めての命令だったらしく、
ちなみに医者もメイドも私の大人しい態度に、何か裏があるのかとびくびくしている様子だった。よほどグレースが
エヴァンもきっと、グレースが怖くて
彼の
何とも生きづらいキャラクターになってしまったと
グレースは何にでも宝石をつけないと死んでしまう病なのだろうか。ペンを持つだけで緊張してしまう。
「さて、これからどうしよう」
私の記憶が正しければ、春には男主人公であるゼイン様とグレースの交際が始まる。
――この国の誰よりも美しいゼイン様が欲しくなったグレースは、最悪の形で家族を失ったゼイン様の
『ふふっ、
ゼイン様はグレースを愛していたわけではないけれど、
けれど
その結果、彼はもう誰にも心を開かないと
そんなゼイン様は、美しく心
『私がずっとゼイン様のお側にいます。絶対にあなたを裏切ったりしません。この命が
ひだまりのようなシャーロットによって
そんな中、このシーウェル王国や
結果
そして世界を救い、ハッピーエンドになるという話だった。
「聖女としてのシャーロットを支えて、一緒に戦うゼイン様がまた
本当に良い話だと改めて思い返して感動していたものの、ふと気付いてしまう。
「
そう、グレースがゼイン様を傷付けこっぴどく別れを告げるシーンに、シャーロットが
シャーロットはゼイン様のことを気にかけ、その後いくら突き放されても側にいようとする。グレースによる傷を
『
ボロボロだったゼイン様がそんな風に言えるようになったことに、いたく感激した記憶がある。
「……ええと、つまり」
二人が出会わなければシャーロットの能力は目覚めず、戦争が起きてしまう可能性だってある。
小説通りなら「愛の力」が必要なのだから。
何よりスカッとするシーンとして、一度他国が
「二人が結ばれないと、私、死ぬのでは?」
口からはどうしようという言葉が漏れたものの、頭の中ではどうすべきか分かっていた。
――私が小説の中のグレースと同じ行動をすれば、きっと物語は正しいハッピーエンドを
そんな単純なことだと分かっている、けれど。
「ぜ、絶対に無理、不可能もいいところすぎる……」
現代日本で
その上、
そんな
「……でも、このままじゃだめだよね」
それでも正しいストーリーから外れてしまえば、私だけの問題ではなくなる。
戦争が起きれば、大勢の人の命に関わるだろう。それだけは絶対に避けたかった。
『君の側に居られることが、俺にとって最大の幸福だ』
私自身、ゼイン様とシャーロットには幸せになってもらいたい。むしろ尊すぎるこのカップルを
「そう言えば……」
小説ではゼイン様と別れた後、グレースが出てくることはほとんどなかった。
つまりその後は
「たった一年だもの。そう、一年だけ」
グレースとゼイン様の交際期間は確か一年弱。その間さえ
悪女としての名が広まって暮らしにくいのなら、領地で静かに暮らすのもいいだろう。
――私が何もしなくても、二人が幸せになる可能性だってあるのかもしれない。けれど、何もせずに最悪な結末を迎える可能性だってあるのだ。
何よりもう一度生きる機会をもらえたのだから、たった一年くらい頑張るべきではないだろうか。
「よし」
心を決めた私は
「目指せ! 男好きの強欲……悪……じょ…………」
改めて口に出すと、最低最悪なパワーワードすぎる。
それでも私は今から一年間、グレース・センツベリーを演じ切ろうと固く誓った。
*****
その後、領地にいたというグレースの父である侯爵がひどく慌てた様子で帰ってきた。
娘が襲われたと聞き、慌てて
「ああ、可哀想に……なんてことだ、すっかり元気が無くなってしまって……」
「あの男は私が絶対に消すから、安心するといい」
「何か欲しいものはあるかい? お前の心が安らぐ美しいものをすぐに何でも用意するよ、何がいい?」
娘至上主義といった侯爵の様子に、グレースが歪んでしまった理由も分かる気がした。
それでも悪い人ではないことは、小説を読んで知っている。
何もいらないと言うキャラでもないだろうと、ひとまず考えておくと伝えた。今後はこういう場面も多いはずだし、色々と考えておかなければ。
過去の私がもらって嬉しかったものと言えば、商品券といった金券や食べ物だった。生活感しかない。
その後はやけにびくびくした様子のメイド達に、食堂へと案内された。
テレビでしか見たことのないようなご
「お、
料理名すら分からないけれど、とにかく美味しいしお高い味がする。けれど寝込んでいたせいか、すぐにお
そんな私を見て、やがてメイド達はあっさりと食事を下げていく。
「あっ、待って!」
「どうかされましたか?」
「ええと、その……もったいなくて、なんて……あはは」
思わず片手を
グレースほどのお嬢様が、食べ残しをもったいないと思うはずなんてないのだ。心の中で涙を流しながら、貴族令嬢としての生活に慣れるよう努力しなければと反省した。
それからはゆっくり大きなお
せんべい
「お父さんとお母さん、元気かな……」
そんな中、見上げればやはり悪趣味な宝石まみれの眩しい天井が目に入り、センチメンタルな気持ちも
「……天井から外して、
あんな豪華なもの、
そんなことを考えながら、私はこの世界で初めての眠りについた。
翌朝、
グレースの持っていたドレスは赤や
鏡に映る顔は驚くほど小さく、肌は真っ白で
アイスブルーの瞳は長い
はっきりとした顔立ちのグレースは、
メイド達は今までと違うであろう指示に戸惑ってはいたけれど、何もかも私の言う通りにしてくれた。悪女だからといって、常に派手すぎる必要はないだろう。
「おはようございます、お嬢様!」
「きゃああ! ま、まま、待って服は! ふ、服は
「あ、すみません。長年の
今日も彼は顔を合わせた瞬間に服を脱ごうとしたため、慌てて両手で顔を覆った私は叫びながらもなんとか止めた。あまりにも心臓に悪い上に、悲しき性すぎる。
テーブルセットの向かいに座るよう言うと、初めての経験なのかエヴァンはおずおずと腰を下ろした。男性に
するとエヴァンが、先に口を開いた。
「お嬢様、体調は大丈夫ですか?」
「あ、ありがとう。お
「それは良かったです! 安心しました」
少し――かなり変わっているものの、やはりエヴァンはとても良い人そうで、悪女のグレースなんかに仕えているのはもったいない気がしてならない。
「ねえ、エヴァンは私の専属騎士の他にやりたい仕事はない?」
「どういう意味でしょう?」
「お父様にお願いして、エヴァンのやりたい仕事を
一緒に過ごす時間が一番多いエヴァンが、グレースの一番の
だからこそそう言ったものの、エヴァンは驚いたように灰色の瞳をぱちぱちと
「俺、クビになるんですか……?」
「ええと、クビというか、こんな仕事辞めたいだろうなと思って」
「いえ、そう思ったことはないですよ」
「えっ?」
あっさりとそう言ってのけたエヴァンに、こちらの方が驚いてしまう。
「あんな姿で立たされていたのに?」
「はい、全く。お嬢様のお部屋は冬でも暖かいですし、身体には自信があるので」
「ええ……」
頑張って鍛えているんですよ、と眩しい
「だって、色々と
「お嬢様は誰にでもそうなので、別に気にしていませんでしたよ。顔だけはいつも
どうやらエヴァンは、信じられないほどの
そうでなければグレースの護衛騎士など、三年も続かないと気付いてしまう。余計な心配をした自分を
これからも護衛騎士を続けたいというエヴァンを
一日足らずの浅すぎる付き合いだけれど、隠し事などできそうにない明け透けな物言いの彼のことは、信用できそうだと思い始めていた。
「それにしてもお嬢様、本当に丸くなりましたね。屋敷の中でも、やはりどこか悪いんじゃないかという
「……うっ」
このままでは悪女から遠ざかる一方だ。
まずいと思った私は、顔を上げてエヴァンを見つめた。
「お父様やみんなに心配をかけたくないから、できれば今まで通りに振る
エヴァンとは目が覚めた時から普通に会話してしまっているため、
それなら、協力してもらった方がいい。
「分かりました。お嬢様の
「あっ……ありがとう…………」
やはり明け透けにもほどがある。もしかすると、エヴァンのこういうところがグレースの
とにかく味方ができたことで、少しだけほっとする。
ゼイン様と会うまであと一ヶ月弱、グレースという人間をよく知り、しっかり悪女に寄せていかなければと、改めて気合を入れた。
その後、
「お茶を用意してちょうだい。早くして」
「えっ? あっ、はい! ただいま!」
心を痛めながら悪女っぽく言ったつもりだけれど、何故かメイドはほっとしたような様子さえ見せている。
一方、私の側に立つエヴァンは手で0点というジェスチャーをした。どうやら採点形式らしい。
点数すらもらえないことに
「いつものお嬢様なら、舌打ちをしてテーブルを一度叩きつけるだけでお茶が出てきま
す」
「そんなことある?」
難易度が高すぎる。やはりグレースという人物になりきるには、まだまだ先は長い。
見た目の美しいお
そして紅茶が入ったティーカップが目の前に置かれようとした瞬間、無意識に「ありがとう」と言ってしまい、
「も、申し訳ありません……! い、今すぐに死んでお
「大丈夫ですか !?ここは俺が食い止めます!」
ケーキナイフを首にあてがうメイドと、テーブルに広がっていく熱いお茶が私にかからないよう、自らの腕でせき止めようとするエヴァン。まずは
「落ち着いて、大丈夫だから! 危ないからナイフは離して、
「マイナス100点です」
「もう、今はいいから! 手を退けて!」
結局、悪趣味といえど間違いなく相当なお値段のドレスが
「さっさと代えを
「あ、ありがとうございます……!」
私の言動に対し、メイド達は
そして再びエヴァンと二人きりになった私は、深い溜め息を吐いた。出オチすぎて泣きたくなる。
「はあ、まさか悪女を演じるのがこんなにも難しいなんて……これじゃグレースとしてマイナスだわ。ダメダメすぎる」
「はい。ただ、人としては100点だと思いますよ」
「急にいいこと言うわね」
このままでは、悪女からは
特にセンツベリー侯爵邸の使用人は、
常に悪女らしい姿でいる必要があるとは言え、わざとではないミスをして泣いている子を責め立てるなんてこと、私にはとてもできそうになかった。
「……わあ、美味しい」
なんだかお茶を飲むだけで
人生で一度も飲んだことのない、お高い味がした。
「それにしても、どうして使用人達はセンツベリー侯爵邸で働くのかしら? もっと良い職場だってあるはずなのに」
「グレースお嬢様のせいで辞めていく人間が多いので、給金が破格だそうですよ」
「なるほど……エヴァンもそうなの?」
「はい、もらいすぎなくらいだと思います。お断りしているのですが、侯爵様がどうしても受け取ってほしいと仰るので、とりあえずカジノで使っています」
「貯金した方がいいわよ」
侯爵――お父様もエヴァンがグレースにとって、なんだかんだお気に入りの存在だと分かっていて、辞められては困るからなのだろう。
改めてまじまじと見ても、本当に整った顔をしていた。グレースが気に入るのも分かる。
かなり変だけど。
この屋敷の使用人はお金に困っている人が多いと聞き、前世のこともあって
しばらく考え込んだ私はやがて小さく息を吐くと、ティーカップを置いた。
「エヴァン、この屋敷のメイドで特に貧乏で心が強そうで、信用できそうな子を一人連れてきてくれない?」
人の好い彼は、屋敷中の使用人達と仲が良いと聞いている。もはや騎士としての仕事以外しかしてもらっていないけれど、許してほしい。
「はい、すぐに。でも、どうするんですか?」
「こうなったら、サクラを
「さくら……? とりあえず呼んできますね!」
そしてエヴァンはすぐに、メイドを一人連れてきてくれた。
ヤナと言うらしく、年は二十歳らしい。
「……
「ええ。私の専属のメイドとしてね」
そう、私の考えた作戦は専属のメイドを用意し、身の回りの世話をすべて頼む。そもそ
も私はほとんど自分でできるから、一人いれば十分だろう。
そして他の人の前では、そのメイドをこっぴどく虐めるフリをするのだ。
最初からフリだと言っておけば私も心が痛まないし、メイド側には給金と別にお金を多めに
グレースの個人的なお金は気が遠くなるほどあったため、ひとまずそこから使わせてもらうことにする。
ヤナは私の様子や提案にかなり驚いていたけれど、すぐに笑顔で頷いてくれた。
「分かりました、ぜひやらせてください。虐められているフリ、頑張ります! 私、
「ありがとう! これからよろしく」
「まあ、俺の方が強いですけどね」
「なんで張り合ったの?」
赤い髪がよく似合うヤナは実家が相当な貧乏で借金があり、まだ幼い弟や妹もいるのだという。やる気満々で頑張りたいと言ってくれて、心強い。
とりあえず一年間は彼女を専属メイドとして側に置き、屋敷の中ではこの作戦でいこうと思う。
私自身、家の中でもずっと無理に演技をして気を張っているのは辛いため、少しほっとする。二人の前でなら、素の自分で過ごせそうだ。
とは言え、こんなものは応急処置にすぎない。それ以外の場ではしっかりしようと、自身にきつく言い聞かせた。
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