第40話 昴の家へ

しばらく歩いていると、エレナちゃんは早歩きでララに近づく。

「ララの思い人ってどんな人なの?」

「突然なんですか」

「えーなんかさあ気になっちゃうじゃない、ララほどの美少女が好意を寄せる人なんてさ」

「それはとても勇敢な方でした」

「容姿とはどうなの」

「もちろんカッコよかったですよ」

つい二人の恋話を耳をダンボにして聞き入ってしまう。

「昴、そうだってよ」

「なんで俺に話を振るんだよ」

「興味ない話ではないだろ」

後ろを振り向きながらニタニタ顔で覗き込んでくる。

気にならないわけがないだろ。メチャクチャ気になるよ。

でも、いくら気にしたところで俺なんて、ララとは釣り合わないだろう。

ララは別の惑星のお嬢様なんだろ。それに俺はつい先日まで、地球外生命体がいることすら知らなかった、平凡な地球人の高校生なんだ。

「ちなみに年上?」

「いいえ、同い年だと聞いています。私も一六歳なのでその方も一六歳ではないかと思います」

俺もララと同い年か。俺よりもどことなく大人びて見えるな。良いところの育ちの違いかな。

「ねえ、確信をつく情報はないの、名前とかさ」

「それが幼い頃に一緒に遊んだといった事しか覚えてないんです。一つだけハッキリ覚えていることがあります」

「ないなに、すごく知りたい!」

「それはですね。その方は地球人とのことだけです!」

自信を持て語るララとは対照的にエレナちゃんは。ゲンナリしている。

「あのさ、ぶっちゃけそれはわかっているよ。だから婚約を逃れて地球に来たんでしょうが! しかも地球人は約六0億人いるのよ。そこから同い年ぐらいの人は数億人程度でしょ」

「すいません。すいません。そんなことも考えずに」

「でもさ、ララが来たことあるのは地球の中でもこの日本でしょ」

「あぁ、そうです! 地球の日本だけです」

「ならさ、ほぼ相手が特定できたんじゃないのかな?」

「えぇ!? そうなんですか。全然わかりませんでした」

「とりあえず、昴の家に着いたから続きは食事をしながらでも良くない」

そういうとセレスシスさんは昴の家に入って行った。

あれ。玄関開けっぱなしで出てきたのかな。田舎とはいえ、物騒なことしてしまった。

家の中に入ると、懐かしい感じいがした。

家を空けたのは一晩だけなのに、色々なことを体験したから数日ぶりの我が家だと思ってしまう。

「昴なの? 帰ってきたの?」

家の中からは幼なじみの美晴がリビングからでできた。

パジャマ姿とのことは、昨晩はうちに泊まっていたのだろう。

「おう、ただいま」

「へーこれが一般的な地球人の家なんですね」

俺の横から覗き込むようにエレナちゃんが覗き込んできた。

「す、昴、誰なのこの女の子は?」

「エレナちゃんなのです」

敬礼をして答える小学生位にしか見えない自称中学生。

「可愛いい! お嬢ちゃん小学生四年生ぐらいかな?」

「失礼ね。私はこう見えても一五歳の中学生だよ。昴をはじめとして地球人は非礼な扱いをしてくるのだ!」

「えっそうなの? ごめんねてっきり身長から小学生とばかり思ってしまった」

「いやそんなに謝らなくても、大丈夫だよ。ちびっ子は永遠にちびっ子だからさ」

「何を言うかこの大酒呑!肝臓を壊して死んでしまえ」

「エレナちゃんダメですよ。女の子が死んでしまえなんていうの」

さらに背後からララがなだめに入る。

「あっララさんも無事だったんですね」

美晴は両手で握手をして再会を歓迎した。

ことの顛末を美晴にも説明をするため、リビングに移動した。

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