第23話 いざ行こう西棟へ……でもその前に
西棟に入ることのできるパスをゲットした俺は、ネコの姿から元に戻った。
パスの持ち主が気づく前に西棟へ潜入しなくてはにらない。
だけど西棟の内部は、どんな構造な全くわからないことだらけだ。
ララとセレスシスさんが、どこに匿われているのかがかわらない。
入る前に、もう一度情報収集する必要がありそうだ。
施設内のフロアマップをどこかで見ることはできないだろうか。
確か施設内には、ローカルネットワーク内だけで見られる、グループウェアがあるって聞いたこことがあるぞ。
よし、そこにアクセスして施設内の地図を探すか。
問題はどこの端末を利用するかだ。
一度、彩星の研究室に戻ることも考えたが、研究棟に戻るリスクを考えると先ほどの警備員の件もありできれば行きたくない。
本棟内に簡単にアクセスできそうな端末がなかったかな。
あるとしたら三階の電波望遠鏡の操作室だが、二四時間体制で管理しているから、部外者が侵入した瞬間に警備員を呼ばれかねない。
であれば……会議室だな。
会議室で端末を何度か見かけたことがあったな。確か型は古いそうだけど、グループウェアにアクセスするだけなら使えるだろう。
ここから一番近い会議室は、一階の小会議室が複数ある。まずはそこをあたるか。
トイレから出ると、会議室のあるエリアへと向かった。
先ほど拝借した玲香先輩のパスを使い、小会議室の扉を開けた。
内部に入り辺りを探索するが、それらしい端末はなかった。
会議室は他にもあるから、他をあたればいいさ。
残りの会議室を片っ端から開けて回る。
どこの小会議室も、LANケーブルはあるのものの該当の端末はなかった。
小会議室はだめだ。二階の大会議室はどうだろうか。
できれば移動距離は短くしたいが、致し方ない。
二階へ上がり大会議室の扉をパスで開けた。
電気をつけると机がロの字状に複数並んでいる。
前列の席を見ると、お目当てのデスクトップパソコンを発見した。
よし、これなら何とかなりそうだ。
早速端末まで行き、電源を入れた。
パスを要求されたので、カードリーダーにパスをかざした。
すると端末は起動しデスクトップ画面が表示された。
後はブラウザーを起動し、グループウェアへアクセスするだけ。
教授が使っているのを横目で見ていたので、なんとなく使い方はわかる。
施設情報なる項目があったので片っ端から、アクセスしてみる。
ビンゴ゜
西棟のフロアマップが出てきた。
さすが最高権限のパスだ。これは西館に出入りできるものだけが、アクセスを許されているファイルであった。
西棟の中心部は吹き抜けの中庭になっていて、大小六部屋に分かれており、研究棟に似ていて、メゾネット構造になっている様だ。
入って右隣の二〇三号室が、このパスの本人である玲香先輩の部屋だ。
他の四部屋は別の名前が割り振られているが。特別大きくり振られているのは、この中でも奥の部屋である二〇一号室だ。
名前はまだない。恐らくここがララとセレスシスさんが匿われている部屋だろう。
他にも資料を探したところ、掲示板に外務省が該当の部屋を使用するとの記事が出てきた。
よしこれで二人の居場所はわかった。
後はどうやって入るかだな……網膜スキャンを突破する方法か。
何気なくパスを見ながら考えていた。何気なく見たパスには玲香先輩り顔写真が貼られていた。
俺はある方法を思いついた。これなら突破できるかもしれない。そのほかにも情報がないか探っていると……あれ、このおっさんは誰だっけ。
俺は掲示板の記事を見ていると、見覚えのある顔を発見した。
インテリ系イケメンにダークスーツ?
あぁ、合宿の最終日に黒塗りの高級車で乗り付けてきて、彩星と親しげに話していた人物だ。
この記事によると外務省の上嶋達也と書かれている。
談話室での黒服たちの会話にも。上嶋の名前が出てきていたな。
もしかすると黒服たちとの関りがありそうだ。
念の為スマホに上嶋の写真を撮っておくことにした。
これで必要な情報は集まった。
後は二人が待つ。西棟へ潜入するだけとなった。
ぴっーーーーーガチャ
そこに会美質が開く音がした。
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