ほわわ!? 買い出し編!~天ちゃんぱ~と!~
「ほわ~、太雅さん今日もステキですわ。お家でしか見せないだらけきった笑顔も、その少しダサいTシャツも……全部全部ステキですわ、太雅さん。太雅さん、太雅さん、大好きですわ……ほわ~、大好きですわ、太雅さん! ほわわ~!」
放課後の自室、パソコンの前で。
太雅さんのお部屋にこっそり設置したカメラの映像を見ながら、私はほわ~、って幸せ気分の包まれていた。
やっぱり太雅さんはどこにいてもカッコよくてステキですわ、やっぱり大好きですわ、太雅さん! 本当にほわわ~、って感じですわ、見ているだけですっごく幸せになりますわ~!
ほわわ、本当に音声が入らないのだけが残念ですわ、太雅さんのお声をずっと耳元で感じたいですから……しかし、我慢です。音声を聞こうと盗聴器を設置すれば私は逮捕されます、本末転倒今晩天丼ですわ。
だから我慢です、お声は我慢します……しかし、聞いたらもっとほわほわ幸せな気分になるんでしょうね……ほわわ~、我慢したくなくなってきましたわ~……いえ、我慢はしますけど、その……ほわわ~、な気分ですわ!
風花ちゃんが言っていたあの気持ち、今ならよくわかりますわ……今の風花ちゃんは、翠ちゃんのものですけど。
幸せな気分が回るのは変わりませんわ、体中が幸せでほわほわ温かくなりますわ……ほわわ、お股のところが特にキュンキュンしてきましたわ。
太雅さんを見ていると、身体が赤ちゃん作りたい疼きだして、太雅さんの赤ちゃん作るためにキュンキュンぐちょぐちょ……ほわわ~!
「コンコン、入ってよろしいですか、音夢さん?」
「ほわわ~、太雅さん、大好き、んっ……うわっ、矢崎さん!? ちょ、ちょっと待ってください、少し待ってですわ!」
そんな事を考えながら、ほわほわ気持ちよくなっていくお股に指を這わせてもっと気持ちよくなろうとしていると、部屋のドアをコンコンと叩く音と、矢崎さんのいつもの明るい声が聞こえる。
ううっ、気持ちよくなりたかったですが、矢崎さんが来たならしょうがないですわ……ビデオを切って、ちゃんと服着て矢崎さんとお話ししなきゃですわ!
よいしょ、よいしょ……ほわわ、べとべとしてますわ……太雅さん、太雅さん……んっ、太雅さん、はうっ、あんっ、あむっ……
「音夢さん? 音夢さん?」
「はむっ、太雅さん……ほわわ、大丈夫ですわ! すぐに開けますわ!」
しまったです、太雅さんの事を考えてたら自然にまた手が伸びてましたわ!
矢崎さんとお話しする予定でしたのに……ほわわ、ダメですわ! しっかり、今度こそ……ほわっ! ほわわ!
「ほわ、ほわわ……ほわ、ほわ、すみません、矢崎さん。ほわわ、少しお待たせしましたわ、ほわっ……ほわ~」
「いえ、私は大丈夫ですけど……音夢さんこそ大丈夫ですか? 最近部屋がガタガタすることが多いですし、今も汗だくで顔真っ赤ですし……大丈夫ですか、音夢さん? 何か困ったことがあったら、何でもこの矢崎に言ってくださいね! 音夢さんに頼ってもらえるのは、矢崎の本望ですので!!!」
急いで息も絶え絶えの状態で部屋からお外に出ると、心配そうに私をまん丸のくりくりした目で見つめる矢崎さんが、ドンとどこか嬉しそうに胸を叩く。
「ほわわ~、ありがとうございますわ、矢崎さん! それで、今日はどのようなご用事ですか? ほわ?」
小さい頃お世話になってますけど、本当に矢崎さんは良い人ですわ。
私の事を一番に考えてくれて、それで……ほわ~、ですけど、今のタイミングは少し邪魔でしたわ。私と太雅さんのイチャイチャの時間邪魔されたので、少しほわっ! ってしましたわ……こんなほわわ! な事は言えませんけど。ほっぺだけぷくーっと、ほわ~っとしときますわ!
そんなほっぺを膨らませた私を見た矢崎さんは、少し不安そうにビクッと肩をあげながら、
「ね、音夢さん? どうされました、そんなにお顔をもちもち可愛く膨らまされて……用事というのは、今日のお夕食のお話です! 音夢さんは、お夕食のリクエストはありますでしょうか?」
「ほわっ! 別に何でもないですわ、矢崎さんには関係ないですわ……ほわ、お夕食ですか? それなら私は、天丼が食べたいですわ、海老の天丼が良いですわ」
「なるほど、天丼ですね! 了解しました、音夢さん! それでは、失礼します! 何か相談や悩みがあれば、いつでも矢崎に言ってくださいね!」
「はい、ありがとうございます矢崎さん……ほわ!」
「……どうかされましたか、音夢さん?」
「ほわ、いえ、その……ほわわ~」
どうしましょう、思わず呼び止めてしまいましたわ。
矢崎さんに相談したい事なんて……ほわ、ありますわ~。
太雅さんの事、すごく相談したいですわ……矢崎さんは、恋愛経験も豊富と聞きましたし、それにすごくほわ~で、キレイな方ですし。
だから、その……太雅さんと仲良くなれる方法、矢崎さんなら知ってるはずですわ! ほわ、それが正解ですわ、矢崎さんに聞きますわ!
「……本当にどうされました、音夢さん?」
「ほわ、いえ、ほわ~……その、私、好きな男の子が居まして」
「え、男の子!? 本当ですか、音夢さん!?」
私の言葉を聞いた矢崎さんが、キラキラした瞳で、興奮した様に私に身体をギュッと近づけてくる……ほわ、び、びっくりですわ!? ほわわ、ほわわ?
「あ、すみません! いや、音夢さんもそんなお年頃か~、と思いまして! あの小さくて可愛かった音夢さんがそんな……いや~、矢崎感激です!」
「ほわ~、小さい頃のお話はしないでくださいまし」
「アハハ、すみません! でも感激してるのは事実です……それで、その方と何かあったんですか?」
「ほわ~……そのですね、明後日から創立祭ですよね、私の学校。それでですね、それを機会にそのお方と仲睦まじくなりたいと考えてまして……何かいい方法はないでしょうか、矢崎さん?」
太雅さんと、これきっかけでいっぱい仲良くなりたいですから。
太雅さんといっぱい仲良くなって、それで……ほわ、ほわわわわ~……ほわわ~! ほわわ~、何かいい方法を教えてくださいましせ、矢崎さん!
「音夢さん、幸せそうで何よりです……そうですね、やはり創立祭と言えば無難に一緒に回るのがベストだとは思いますが、それ以上に事前のアタックも大事です!」
「ほわ、慈善ですか?」
「いえ、事前です。今は準備期間でしたよね、音夢さん? そうです、明日買い出しに行く機会があれば一緒にいってみればどうですか? その男の子を誘って、一緒に買い出しに行くというのはどうでしょうか?」
私をニコニコ笑顔で見ていた矢崎さんが、そうアドバイスしてくれる。
なるほど、買い出しですか……太雅さん、ついて来てくれるでしょうか? ほわわ、心配ですわ……断られたら、私……ほわ、ほわわ~……
「大丈夫です、音夢さん! 自信持ってください、音夢さんは可愛いし、身体も最強なんですから! 音夢さんに誘われて、断る男子なんていません!」
「ほわ~……ほわ? ほ、本当ですか、矢崎さん? 私が誘っても大丈夫でしょうか?」
「はい、自信持ってください音夢さん! 恋はダービーお祭り騒ぎです! ファイトですよ、音夢さん! 矢崎はずっと、音夢さんの事応援しますから!!!」
そう言って、矢崎さんが晴れやかなスマイルのまま、グッと親指を突き出してくれる。
ほわわ、矢崎さんにそう言ってもらえると、なんだか自信が湧いてきましたわ……ほわ~、待っててくださいね太雅さん!
明日絶対、太雅さんの事お誘いしますから……今日はその予行練習も兼ねて、太雅さんカメラを見ながら、ほわほわ赤ちゃんの準備することにしますわ! 私は太雅さんと気持ちよくなって、赤ちゃん作るためにほわほわ準備することにしますわ!!!
「いや~、あの音夢さんが……矢崎本当に感激です! 頑張ってくださいね、音夢さん!!!」
☆
「ひわ~、青ちゃん何してますか? もしかして買い出しですか? ほわわ~?」
次の日、買い出しに行く機会を今か今かと探していると、買い出し担当の青ちゃんがうろうろしているのを見つける。
ほわわ、これはチャンスの匂いがしますわ!
「お、良い嗅覚! 正解だよ、天ちゃん!」
「ほわ~、正解で嬉しいですわ! それでなんですけど、その買い出し、私に任せてくれませんか?」
「え、天ちゃんに? 良いけど、結構重たいよ? 大丈夫?」
「ほわ~、大丈夫ですわ! 私は、一緒に……ほわわ、私に任せてください!」
「あ、そ、そっか……うぇぇ、私も彼氏欲しいよぉ……田中君、戻ってきてよ……彼氏欲しいよぉ……」
急にズーンといつものようにテンションを下げながら、メモ帳を渡してくれる天ちゃんにありがとうのお辞儀を一つして、私は行くべき場所―太雅さんのところへ向かう。
「なんかテンション低くね~、悠真? 大丈夫?」
「そんな事ないよ、太雅。大丈夫大丈夫」
太雅さんのいらっしゃる場所に行くと、いつも通り風花ちゃんの悠真さんと一緒で……ほわわ、今は違いましたわ。悠真さんと風花ちゃんは違いましたわ。
「ほわ、ほわ……ほわわ!」
しかし、緊張しますね、お声をかけるの……断られたらどうしようって感情が渦巻きます。
しかし、話しかけないと始まらないですし……よし、女は度胸ですわ! 頑張れ頑張れ、ほわわですわ!
「す、すいません、お二人さ~ん……特に太雅さん。少しお時間、良いですか~~?」
「お、俺? えっと、その……天間さんが、俺に何か用ですか?」
「はい、太雅さん。えっと、その……わ、私と、買い出しに行きませんか? 二人きりで買い出し、しませんか!!!」
「……え!?」
私のそのお誘いに、太雅さんはそのお目目をクルクル丸くして……ほわわ~、カッコいいですわ太雅さん!!!
★★★
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