風花ちゃんとクリスマス・ラスト

「んみゅ、悠真君……えへへ」

 ―悠真君と、こんな事出来るとか……えへへ、夢みたいだな。


 ―ホントは、こうしたかったんだ、風花。風花、将来は、悠真君と……えへへ、えへへ……えへへへ。


 ―大好き、悠真君、大大大好き……ホントに、大好きだよ、悠真君……えへへ、夢の外では、多分ちゃんとは言えないけど……ここでならいっぱい、言える。大好き、悠真君……ホントに悠真君の事、大好き……えへへ。




 ☆


「……もへもへ、なんかいい匂い、悠真君の匂いも、する……もへ~、えへへ……」


「あ、風花ちゃん起きた? おはよ、風花ちゃん」

 しばらく一心不乱に料理を続けていると、炬燵からもそもそ這い出るような音が聞こえる。


「あ、悠真君の声……えへへ、悠真君、おはよ。今日も、良い朝だね……えへへ、朝から悠真君のお顔見れて、風花幸せ……クリスマスプレゼント……えへへ、夢から覚めても幸せ……えへへ」

 振り返ると、ねむそうにごしごしと目を擦る風花ちゃんがトテトテ俺の方に歩いてきながら、ふわふわ笑顔でそう言う……ああ、もうそう言う事言わないで! 


 一瞬賢者タイムで忘れかけてたのに……また、思い出しちゃう。

 さっきの風花ちゃんの甘い感覚とか、耳の……ダメ! 


「うわっ、悠真君の朝ごはんだ、風花、悠真君の作るお料理大好き……あれ? どうしたの、悠真君? 大丈夫、ちょっとお顔、しんどそうだよ?」


「いや、その、何も、ないけど……大丈夫だよ、何もない! 心配しないで、風花ちゃん!」

 この調子じゃ、本当に寝ぼけてただけなんだな、さっきの事なんて何も覚えてないんだな。夢からとか、言ってたし。

 さっきの俺とあった事、全部……夢の中で、俺じゃない誰かとしてたことなんだな。

 俺じゃない誰かと色々して、気持ちよくなって、本番……しんど。


 でも、そんな俺の考えは当然風花ちゃんには通じなくて、ほわほわ幸せそうな笑みを俺に浮かべてくれながら、

「ホント? でも悠真君の顔色、ちょっと悪いよ? 風花、悠真君の事、心配……悠真君、しんどかったら言ってよ。風花ちゃんナースが悠真君の事、看病してあげるから……えへへ、悠真君とずっと一緒に居て、誠心誠意、看病するね」


「……他に一緒に居なきゃいけない相手、いるんじゃないかな、風花ちゃんには」


「え? なんか言った、悠真君?」


「いや、何でもない。何も言ってないよ。それに顔色も平気、全然大丈夫……あ、そうだ、風花ちゃん。今日、夢、何見てたの?」

 体調悪いの? って心配して覗き込んでくれる風花ちゃんに、思わずそんな質問が口から洩れる。


「え、夢? なんで?」


「え、あ、いや、その……ちょっと、気になって。寝言、言ってたから……色々」

 聞く気はなかったけど、でも……聞きたくなっちゃった。

 なんか、その……風花ちゃんが何してたのか、誰としてたのか……そう言うの、聞きたくなったから。諦めるため? 納得するため……わかんないけど、聞きたいから。


「え、寝言、恥ずかし……悠真君に、いっぱい、風花の、寝言……あぅぅ、恥ずかしい……」


「いや、そんな変なことは言ってないよ! 普通の事……だけど、気になる、から」


「そ、それならよかった……あ、あのね、風花ね、夢の内容はね、あんまりね、覚えてないけど……でも、すっごく幸せな夢だったのは、覚えてるよ。わかんないけど、すごく幸せだった……えへへ」


「……幸せ?」


「う、うん。風花、すごく幸せだった。美味しくて、大好きなモノ食べてるみたいで、お腹の中、とんとん優しく撫でられてるみたいで、温かいもの、いっぱい貰ったみたいで……えへへすごく幸せで、気持ちよかった。お腹の中から、身体全部ぽかぽか、幸せになれた。悠真君とか、翠ちゃんとかと、一緒に居る時みたいに、ぽかぽか、幸せで、ふわふわで……ってあれ? だ、大丈夫、悠真君?」


「う、うん、だ、大丈夫……大丈夫だよ、風花ちゃん……おえっ……」

 ……やっぱりしてたんだ、夢の中でしてたんだ……俺の知らない男と、そう言う事、してたんだ。

 それで気持ちよくなって、びちょびちょに濡らして……やば、しんど。


 普通にしんどい、これ……なんかわかんないけど、寝取られた気分だ。

 いや、別に俺のじゃないんだけど、最初から……気持ちがガンガンします。


「だ、大丈夫、本当に!? 風花、すごく心配……大丈夫?」

 風花ちゃんは今も俺の事、心配そうに見つめてるけど、でも……ハァ。


「だ、大丈夫だよ……大丈夫」


「そ、それならいいけど。風花心配だからね、悠真君しんどくなったら、絶対風花ちゃんに言ってよね……あ、そうだ悠真君、お風呂入っていい?」


「そんな事言っても、俺以外の男と……え、お風呂?」


「うん、お風呂! 昨日、お風呂入らないで寝ちゃったみたいで、汗でべとべとして、なんかべちょべちょ引っ付いてるから。だからお風呂、入りたい」

 そう言って服の襟をばたばた激しく動かす風花ちゃん。


「……!」

 その言葉の選び方とか、動作とかが妙に色っぽくて……意識してるから余計にそう見えるんだろうけど、本当に色々風花ちゃんが可愛すぎて、えっちで、さっきしなびた身体がもう一度……ダメだって、もう! 


「や、やっぱり悠真君体調悪い? なんか、ほんとさっきから……大丈夫?」


「え、あ、うん、大丈夫! 大丈夫だよ、風花ちゃん! お風呂も行っておいで!」


「本当にそうかな、風花心配……でも、お風呂、嬉しい。あ、そうだ、悠真君。風花、お風呂上り、パジャマとかない。だから、今日も、悠真君の服、借りたい。いつもみたいに、悠真君のお洋服、着て過ごしたい……良いですか?」

 そう言って、少しもじもじしながら、もちもちほっぺをふわふわ揺らして、懇願の可愛すぎる上目遣いで俺を見る風花ちゃん。


「ううっ、可愛い、それに……あぅぅ……」

 そんな顔されたら、そんな可愛くて男心揺さぶられるお願いされたら俺絶対に断れ……い、いや、でも! で、でもぉ?


「……そんなことして、良いの? 俺、その……風花ちゃんの、あの……怒られるし、その……ね、ねぇ?」


「怒られる? 誰に? 風花、嬉しいよ、悠真君のお洋服着れたら……えへへ、悠真君と、一緒みたいで、ドキドキするの……えへへ」

 嬉しそうに指をまぎまぎしながら、幸せスマイルでそう言う。

 ああ、ホント、もう……うう!


「……ホント、そう言うのダメだよ、ずるいよ、言っちゃダメだよ……わ、わかった! 用意する、いつものパーカー、用意するから! ちょっと待ってて、脱衣所置いとくね!」

 色々と気持ちを抑え込みながら、風花ちゃんのお願いは断れないので自分の部屋に着替えを取りに戻る。


「……ハァ……」

 あんな風に言われたら勘違いしちゃう、風花ちゃんの相手が俺だって……絶対違うのに、そんな事絶対ないのに!

 なのに、なのに、俺……ハァ、ホントダメで最悪な幼馴染だ。


 ―誰、彼氏? 社会人かな、クリスマス一緒じゃないって……女の子好きなんじゃ……女の子、好きなんだよね、風花ちゃんは。


 ―でも、それ以上に特別な存在がいるわけで、その人は風花ちゃんと……応援できるな、その人の事。風花ちゃんとそんな人……応援、出来ないな、きっと。



 ~~~


「えへへ、お風呂~、お風呂~……うわっ!?」

 ―なんかパンツ、ぐしょぐしょで、びちょびちょになってる……わ、私、おもらししちゃったかな? 悠真君の前で、おもらし……あうぅぅ……


 ―どうしよ、ホントびちょびちょ濡れてて、まだ溢れて……と、とにかく洗濯! 悠真君に、服も、パンツも貸してもらったから……えへへ、悠真君の、服とパンツ……えへへ、悠真君で、風花、いっぱいなれる……えへへ。悠真君と、一緒……えへへ。




 ☆


「ふえ~、良いお湯だった……それに、悠真君の服、いつもと一緒で、ふわふわ、いい気分、悠真君に包まれて……えへへ」


「お、おあがり……ご、ご飯食べよ!」

 ご飯を作ってしばらく待っていると、温かそうな湯気をほわほわ出しながら、風花ちゃんが上がってくる。

 だぼっと大きめの俺のパーカーを萌え袖にしながら、その見え隠れする小さな手を口元にやって幸せそうに笑って……ああ、もう可愛いなぁ! 


 ホント可愛いな、風花ちゃんは! ホントに可愛くて、無邪気で……だから色々、妄想してしまう。

 俺の服着てあんなほかほか湯気で、にへへと幸せそうで。

 こんな姿見たら、風花ちゃんと俺がそう言う関係で今……そんな事、ないってわかってるけどそう言う事、考えてしまう。

 風花ちゃんにそんな事考えちゃダメなのに、考えてしまう。良くない考え、風花ちゃんにいっぱい持ってしまう……ダメだな、ホント。


「うん、ご飯! 風花、お腹ペコペコ、悠真君のご飯、好き! いっぱい好きだから、いっぱい食べる……あ、混ぜご飯!」

 今も風花ちゃん、そんな事一切なしにお腹空いたって一心でこっち来てくれてるもん。風花ちゃんはそんな事、絶対思ってないもん。


 だから俺も考えないようにしなきゃ……風花ちゃんは大事な幼馴染なんだから。

 俺も平常心、平常心。

「うん、混ぜご飯にしてみた。風花ちゃん好きでしょ、混ぜご飯?」


「風花大好き! 風花、悠真君の混ぜご飯大好きだよ! あ、もちろん混ぜご飯だけじゃなくて! 卵焼きも、お味噌汁も、この……なんだっけ?」


「マッシュポテト? あれも風花ちゃん好きだよね」


「そう、それ! それの、いつもの、ちょっと濃い味付けも大好き、悠真君の濃いの好き……えへへ、食べたらね、ほっぺ落ちそうで、幸せな気分なるんだ。悠真君の料理ね、食べたらね、ぽかぽか幸せな気分なるんだ……えへへ、好き」


「……そう言うのは俺じゃなくて、風花ちゃんの大好きな……」


「ふえ?」


「ううん、何でもない。それより早く食べよ、冷めちゃったら美味しくないからね。ほら風花ちゃん、座って座って」


「うん、美味しく食べたい……えへへ、悠真君の、隣……えへへ、いただきます!」


「……いただきます」

 元気の良い風花ちゃんの声に、俺も合わせてそう言って朝ごはんの時間。


 うん、我ながら上手に出来てる、美味しく出来てる。

 特に今日はなんかすごく卵焼きうまくできたな、いつもよりふわふわで美味しい。


「もしゃもしゃ……うへへ、悠真君の卵焼き、ふわふわで美味しい……いつもの卵焼きよりも、もっと美味しくて、幸せな気分……えへへ」

 ふふっ、隣の風花ちゃんも喜んでくれてる。

 嬉しいな、そんな風に言ってもらえて……少ししんどい気持ちも、やっぱり出てきちゃうけど。


「う~ん、これも美味しい! すっごく美味しい、風花、この味大好き……美味しい、好き」


「そんな美味しい、風花ちゃん? ちょっと照れちゃうな、そこまで言われると」


「うん、すっごく美味しい! 混ぜご飯も、美味しいし、お味噌汁も温かくてポカポカして……えへへ、お腹の中から、温かくて、幸せな気分、いっぱい。えへへ、悠真君のおかげで、今風花、すっごく幸せな気持ちだよ……悠真君の幸せ、風花のお腹に、いっぱい入ってきてる。悠真君ので、風花ぽかぽかふわふわ幸せ」


「……そっか。それじゃ、冷めないうちに食べよ、全部」


「うん、食べる! 悠真君の、大好きで、すっごく美味しいから、全部食べる……えへへ、これも美味しい。すっごく美味しくて、ふわふわ幸せ……えへへ、やっぱり大好き、悠真君」


「……ッ……そ、そうだね、風花ちゃん」


「うん、大好き! 風花、悠真君の、大好きだよ!」

 もちもち柔らかいほっぺをとろとろに緩ませながら。

 満面の、幸せそうな笑みを浮かべた風花ちゃんが、俺にそう言ってくれて。


 ……この大好きに、特別な意味がないのはわかってる。


 風花ちゃんが特別な意味込めて、そう言う事言ってないってのは当然わかってる……わかってるけど、でも、俺は風花ちゃんの事……


「……ありがと、風花ちゃん……俺も、大好きだよ。すっごく大好き、俺も」


「えへへ、悠真君も、自分の好きなんだ……にへへ、それは良いことだね。風花と悠真君の好き、一緒だね……悠真君、また、風花にお料理作ってね……これからも、風花の事、よろしくね」


「……うん」


「えへへ、風花は、悠真君に、胃袋さん、掴まれてるからね……えへへ、これからも、悠真君のお料理、ずーっと食べたいです……えへへ、よろしく、悠真君」

 ……ああ、ダメだ。

 やっぱり気持ちが抑えられない……抑えなきゃだし、忘れなきゃなのに、溢れてきちゃう。


「……うん、風花ちゃん、俺も……俺も、一緒が良い……それ以外でも、全部、風花ちゃんと、一緒が……」


「ん?」


「……ごめん、何でもない。何でもないよ……幸せにね、風花ちゃん」

 でも、ダメだ。風花ちゃんには大好きで、そう言う事する人がいるんだから。

 だから俺の気持ちなんて伝えても迷惑だ……俺はただの幼馴染なんだから。


「え? 風花、幸せだよ? 今、悠真君と一緒で、悠真君のご飯食べて、悠真君のお洋服着て……えへへ、すっごく幸せな、気分だよ」


「……そう言うの、俺に言っちゃダメだって……勘違いするよ、ホントに……言わなきゃいけない相手、いるでしょ、風花ちゃんには……」


「ん? ん?」



 ~~~


「うへへ、風花のお腹の中、悠真君の幸せでいっぱい。ぽかぽか、とろとろ、大好き、幸せ……ぷわぁぁ、お腹いっぱいなったら、ねむくなってきた。悠真君、風花、ねむくなってきた……このまま寝て良い?」


「……さっきまで寝てたでしょ。起きなさい、赤ちゃんじゃないんだから」


「でも、風花、幸せだし、ぽかぽかだし、お腹もいっぱいだし……えへへ、これだけ、揃ってて、悠真君もいたら、もう我慢できない……すーす……」


「ちょ、風花ちゃん……もう寝てるよ。流石だな、ホント……そして寝顔も可愛い、全部可愛い……大好きだよ、風花ちゃん」

 俺の肩に身体を預けるように眠る風花ちゃんの長くてサラサラの髪を撫でながら。

 その可愛い顔を、柔らかいほっぺを、ふわふわマシュマロみたいな身体を……近くて遠い幼馴染の全部を感じながら。


「ねえ、風花ちゃん。俺ずっと大好きだったよ、風花ちゃんの事。今も大好きだよ、風花ちゃんの事、一番大好きな自信あるよ」


「えへへ……にへへ」


「だからさ、我慢できない。女の子なら応援するけど、俺以外の男の人と風花ちゃんが付き合って、そう言う事するの、俺には我慢できないし、耐えられないし、絶対に応援できない。そんなの出来ないから……だから風花ちゃんも俺の事、大好きになってくれない? 今からでも、俺の彼女になってくれない?」


「……んっ、あっ……ぬへへ」


「絶対その男の人より俺の方が風花ちゃんの事大好きだよ。絶対風花ちゃんの事知ってるし、絶対風花ちゃんの事幸せにするよ? 絶対俺の方が、俺の方が……」


「んっ、あんっ……んんっ、悠真君……ん~……」


「……ごめん、変な事言っちゃった。忘れて、ごめん……こんなダメで最低な幼馴染でごめんね。風花ちゃんの幸せ、考えずに邪魔して……そんな幼馴染でごめんね」

 ダメだ、風花ちゃんは今が幸せなんだから。

 だから、邪魔しちゃダメ……俺は幼馴染なんだから。風花ちゃんの幼馴染なんだから。


「……ぬへへ……悠真君……」

 ……でも、今くらいは良いよね?


 俺だって、風花ちゃんの事……だから、今だけでも……

「ごめん、風花ちゃん……大好きだよ。本当に大好き、ホントのホントに……ちゅっ……」



「にへへ、ぬへへ……悠真君……しゅき……大好き……」



 ☆


「ただいま~、妹が帰ったぞ、お兄ちゃん!」


「しーっ! 風花ちゃん寝てる、静かに!」

 少し時間が経って、勢い良く元気よく帰宅してきた妹に俺はそう注意する。

 風花ちゃん今幸せな時間なの、起きたらどうするの!


「あ、ごめん、風花ちゃんいたんだ……お? おお? おおお?」


「……なんだよ、由美? 俺と風花ちゃん見て、何かあるのか?」


「おお、おお……いやいや、何もございませぬよ! ただね、ちょっとね……うふふふっ、これは良いニュース! じゃあね、ごゆっくり、私はお風呂に……うわぉ!」


「……何?」

 よくわかんないテンションで色々まくし立てる由美の言動はよくわかんないけど、まあ静かにしてくれるならいいや。


「あむあむ、ちゅぱっ……うへへ……」


「……ふふふっ、風花ちゃん」

 どんな夢見てるんだろうな、風花ちゃん……俺が出てたら嬉しいんだけどな。



 ~~~


「ただいm……な、何由美!?」


「お母さん、お父さん大ニュース! 多分お兄ちゃんと風花ちゃん、既成事実完了! 絶対してる、計画大成功!!!」


『ホント!? ホント!?』


「うん! だってお兄ちゃんの首元、いっぱいキスマークあるし! それはもう大量についてるし、風花ちゃんのキスマーク! それに風花ちゃんお兄ちゃんの服着てたし、洗濯機の中に二人のカピカピ濡れ濡れパンツ……ね! 絶対シてる、大好きしながらシてる!!!」


「わお、それは……見たい! お母さんもお父さんも見たい!」


「ストップ、ダメ! 今お兄ちゃんと風花ちゃん、幸せ時間過ごしてるから二人にしてあげて! 二人で幸せな時間過ごしてるからダメ!」


「そっか……そうだね! 二人の事は二人に任せよう……茶化したり、そう言う事するのは良くない! ゆっくり見守ろう、二人の事!」


「そうだね!!!」



 ☆


 その後、風花ちゃんはその例の彼氏さんと別れたみたいで、元のさや―俺じゃなくて、翠ちゃんが大好きな元の風花ちゃんに戻って。


 それはそれで寂しいけど、それなら応援する気持ち戻って、それでめでたく付き合って……俺は幼馴染として、嬉しかった! 

 自分の気持ち、この半年でかなり抑え込めたから……だから俺はすごく嬉しかった! 風花ちゃんが昔からの恋、かなえられて嬉しかった!


 それに、俺にも彼女できたし、俺の大好きも風花ちゃんから変えられたし。

 だから両者幸せ、それでいい……いいはずなんだけど……

「悠真君、風花可愛い? 風花のこの服、可愛いですか?」


「……え?」


「悠真君の大好きに、合わせたつもりです……風花、悠真君の大好き、なれてますか?」


「……え?」

 でも今の状況で。

 今の色々揺れ動いてる状況で、こんな事言われると……ちょっとまた思い題してしまう。


 風花ちゃんへの大好き、抑え込んで、ちゃんと仕舞えて、忘れることが出来てた気持ち……それを思い出してしまう。



 ★★★

 クソ長いです。

 でもクリスマスの話終わりです。

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