秋穂さんと友達、抱き合わせ
「えへへ、えへへ……えへへ」
「ん~? どしたん、秋穂? なんか今日もご機嫌だね、何かあった?」
「あ、しーちゃん! あのね、今日ね、悠真君と夜ご飯一緒に食べられるんだ! 本当は、私が学校だから一緒に食べられない日なんだけど、今日は一緒! だから嬉しくて、つい! 悠真君と、会えない日も一緒に居れるのが嬉しくて、ちょっとお顔、緩んじゃった……えへへ」
今日は本当にお母さんぐっじょぶ、すき焼きだから悠真君も一緒に食べよう! って言ってくれて本当にぐっじょぶ!
そのおかげで本当は会えない日なのに、今日も会えて……えへへ。
「あー、例の彼氏君ね。秋穂のロリコン彼氏君の事か」
「もー、しーちゃん! 悠真君ろりこんさんじゃない! 年下だもん、悠真君! 私より年下の、可愛い弟系彼氏君だもん!」
も~、すぐにしーちゃんは悠真君の事ろりこん扱いする!
悠真君ロリコンじゃないって、悠真君はお姉さん好きだもん! お姉さん大好きだから私の事選んだもん! サナちゃんも何か言ってあげて、しーちゃんに!
「……お姉さん好きはないと思うけど、あんまりそう言うの言うのは良くないぜ、志摩。二人は真剣な恋愛してるんだ、そうやって茶化すのは良くない。真剣に、すっごく仲良く過ごしてるんだよな、秋穂?」
「そうだよ、私は真剣! 真剣に悠真君とお付き合いしてて、大好きなの! 大好きで、仲良く過ごしてるの! そう言うの言っちゃダメ!」
「アハハ、それもそうだな。確かに真剣なお付き合いをしている二人を茶化すのは良くない。私たちはしっかり、二人を見守る必要があるな!」
「うんうん、そうですそうです! という事でしーちゃんも、サナちゃんも私たちの事見守ってください! 私と悠真君は楽しく過ごしますから……あ、そうだ!」
今日悠真君と歩美ちゃんにお遣い、頼んでたんだった!
二人最近仲良しさんだし、もっと仲良くなってほしいから、一緒にお買い物してって頼んでたんだった! ちゃんとやってるか聞いてみよう!
「よいしょ、よいしょ……えへへ」
私と悠真君はその、えっと……えへへ、ラブラブですから。
だからこう言うLIME一つとっても「好き!!!」とか送っちゃうんです、大好きでラブラブですから……あ、あれ? 歩美ちゃんから……お!
「ねえねえ、見てみて! 悠真君から写真来た! 悠真君から写真送られてきたよ! 悠真君の自撮り、初めて見た!」
私はたまに自撮りとかして悠真君に送るけど、悠真君の自撮り見るの初めて!
しかも歩美ちゃんと一緒に仲良しで写ってるしいい写真! どっちも可愛いし、カッコよく写ってる!
えへへ、これ見せてあげよ、これ二人に見せてあげる! カッコイイ悠真君見せてあげる!
「お、彼氏の写真か? そういや私顔知らない……あえ? おい、サナ」
「お、秋穂の彼氏? 私もちょっと楽し……志摩、作戦会議」
「ん、どうしたの二人とも? なんか変なもの写ってる? 私の彼氏の悠真君と、妹の歩美ちゃん! 二人ともかっこかわいいでしょ、仲良しさんでしょ!」
『あ、そ、そうだな……アハハ』
ん~、なんで二人ともそんな苦笑いしてるんだろう?
二人が仲良しさんでいい写真だと思うけどな?
「いや、だって……秋穂さ、この歩美ちゃん? 妹ちゃんと彼氏君ってどういう関係なの? なんかすごく仲良さそう……というか、これ……とにかく、どういう関係?」
「え、歩美ちゃんと悠真君? えっとね、仲良しのクラスメイトだよ! 同じ高校の、同じクラスの仲良しのお友達なんだ、二人! えへへ、すっごい仲が良いんだよ、二人は! この前二人で、すっごく仲良ししてたし!」
「な、仲良しね~……へ、へー……アハハ」
二人に買い物頼んでたけど、仲良く二人で行ってくれたみたいで良かった!
あの二人も同級生だし家族になるんだし、いっぱい仲良ししてて欲しいな……ん? あれれ? あれ?
「よく見ると歩美ちゃん、ちょっと引っ付きすぎかも。悠真君とほっぺも身体もぎゅーってしてるし……それはちょっとくっつきすぎすぎかもだよ! これくらいならいいけど、でも……むむむ! ほっぺは良いけど、身体くっつきすぎだよ、歩美ちゃん……ちょっとむむむ、ってなる」
学校でほっぺとかくっつけるダンスしたことあるし、これくらいは良いんだけど。
仏蘭西かどこかの国ではほっぺくっつける挨拶があるらしいから、ほっぺは別にいいんだけど……で、でもよく見たら身体もぎゅーってしてる! 身体もこんなにぎゅーってするのはなんかヤダ!
わかんないし、仲良しなのは良いことなんだけど、でもやっぱりやな気持ちになる。こんなに悠真君と歩美ちゃんがぎゅーって仲良しなのは嬉しいけど、でもちょっとヤダ!
やっぱり悠真君と、こうやってぎゅーってするのは私だけが良い、私以外と悠真君がぎゅーってしてるのはヤダ……相手が歩美ちゃんでもなんか嫌だ!
「むむむ、むむむ~……むむむ!」
多分歩美ちゃんと悠真君は仲良しさんだから、これくらい当たり前で、私がそのとやかく言うようなことじゃなくて、ただの仲良しさんの仲良し表現なんだろうけど。
普通に仲良しのぎゅーってしてるだけなんだろうけど……でもでも! でも! やっぱりヤダ、私ヤダ! 悠真君が他の子とぎゅーってするのヤダ、私以外とそう言うのして欲しくない!
「……ハァ」
悠真君は歩美ちゃんとでもそう言う事、するのやめて欲しいな。
ちょっとわがままで、自分勝手だけどそう言うのヤダ……私ちょっと、悪い子になっちゃうかもだけど、そう言うの、して欲しくない!
悠真君には私だけをぎゅーってして欲しい、私だけに甘えて甘やかして欲しい……わがままで、悪い子になってるけど、でもこれが秋穂お姉さんの願いです!
~~~
「ちょいちょいや、サナさんや。あれ、どう思います? あの彼氏君と妹ちゃん、どう思います?」
「どうって、それは……秋穂には悪いけど、完全に付き合ってるでしょ。わかんないけど、あの……私は彼氏君の本命、あっちの妹ちゃんに見えたな。仲良しってよりは、あの表情とか距離感とか……完全にカップルのそれだよね、二人」
「あ、やっぱり? だよね、写真からもラブラブオーラ溢れてたし。それに言っちゃ悪いけど秋穂より完全にお似合いだしね、あの妹ちゃんと彼氏君。完全に本命で愛し合ってるぜ、あの二人。腰つきエロいし」
あの距離感、あの密着具合。
あの熱い表情に慣れた手つき、エロい腰つき……あの二人は秋穂以上に進んでる。秋穂の彼氏の本命、あっちでその……エロい事も済ませてる。
「……私もそう思う。絶対秋穂に隠れて付き合ってるよ、あの二人。いや、秋穂が彼氏君と付き合ってるって勘違いしてるだけな可能性もあるけど」
「その可能性高いよな~! なんか秋穂が勘違いしたから一応てきな? 本命はあっちだけど、抱き合わせ商法的な? そんな感じで秋穂の事見てる気がするよな~。顔見た感じは割と誠実そうだけど、意外とこう奴がそういことやるし」
「言い方悪いな、昔騙されたことあるからわかるけど……でも秋穂の事、付け合わせ程度にしか思ってない可能性は高そう。妹ちゃんが本命で、ついでに姉も食らう……そんなクズ男の可能性、高いよね。どうする、秋穂に言う? この話する?」
「いや、やめておこう、間違ってた時アレだし。それに見てみろ、今の秋穂……かなり嫉妬してる。彼氏に本気で愛してもらってるときの嫉妬の仕方してる……もうちょっと見守ってもいいかもしれない」
今の秋穂の嫉妬の仕方、結構ガチな奴な気がするし。
だから多分本命は妹ちゃんでずっとラブラブしてて、秋穂は抱き合わせだけど……まあ、しばらく様子見るか! 彼氏君が浮気の最低野郎と決まったわけじゃないし!
「それもそうね……ところで、なんであんな写真送ってきたんだろう?」
「わからん……自分の立場見せるため? 私と彼氏君は、こんなにラブラブです! お姉ちゃんじゃかないません、愛し合ってます! 的な事を示すためか?」
「えっぐ……それマジならやばいね、その二人。ガチヤバラブラブカップルじゃん!」
~~~
「ちょ、何してるの、歩美! え、写真……お、送らないで! 秋穂さんに送るのダメだって!」
「ふふっ、良いじゃん、悠真……私と悠真の関係、見せてるだけだから。仲良しで、それに……お似合いな二人の写真、見せてるだけだから」
★★★
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