第6話 紹介タイム!
「んにゃにゃ、悠真君、そんなとこらめ……ってお母さんだ! お父さんだ! 二人とも帰ってきたよ、挨拶行くよ悠真君! 一応LIMEで言ってるけど、ちゃんと顔見て挨拶しなきゃだし、悠真君の事ちゃんと紹介したいし! だから行くよ、悠真君!」
「う、うん、わかった! 行こう、行きましょう!」
アイスを食べ終えて、秋穂さんの喉をゴロゴロしたりして遊んでいると静かな車の排気音と、疲れた声が聞こえる。
秋穂さんもとい藤井家の両親さんが帰っ来られました……ううっ、緊張する。挨拶なんて初めてだし、会ったのも今日が……あれ? 親さんには会ってたんだっけ?
「お母さん、お父さんお帰りなさい! 早速ですが、悠真君! 私の彼氏さん!」
「こ、こんにちは! そ、その、紹介された通り秋穂さんの彼氏の野中悠真です! そ、その一応歩美さんの同級生……ってやっぱりあったことありますよね。お久しぶりです、こんにちは。改めまして、秋穂さんとお付き合いさせていただくことになりました、野中悠真です!」
俺の緊張した挨拶に顔を見合わせ、そしてニコニコと笑う二人。
やっぱり去年会ってたわ、藤井さんちの良心さん。見たことあるしすごく話したことある……秋穂さん以外とは割と知り合ってたんだ、藤井家。
「悠真君ってあの野中君の事か……アハハ、心配して損した。ふふっつ、そう緊張しないでくれ悠真君」
「いや、でもその……」
「大丈夫、もう警戒はゼロだから。あの野中悠真君なら全部安心だ……久しぶりだね、文化祭で接客してもらって以来かな? すごく良かったし、今度はうちの娘を……やっぱり君はすごい子だ。君の学校とかの話は歩美から聞いてる、印象に違わない凄い好青年だって。出会って1日目って聞いてどんなやばい奴か心配したけど君なら安心だ、悠真君なら安心できる」
「私も大安心よ! ナンパって聞いてうちの娘をたぶらかすのはどんなロリコン最低野郎だ! なんて思ったけど君ならそんなことは無いよね? 歩美から聞く感じ、すごく誠実な子なんだよね? ボランティア参加もロリコンさんだからじゃないんだよね? お母さんは安心したいデス!」
「それはもちろんです! 小学校の先生になりたくて、その社会勉強として参加していて……だからロリコンとかそう言うんじゃなくて、その……秋穂さんが可愛くて魅力的だったんです、僕にとって! だからロリコンじゃないです、大丈夫です! 秋穂さんが色々可愛すぎて、好きなだけですから!」
「ゆ、悠真君そう言うのはその……二人の時に……あうぅ……」
「あらあら、ラブラブさんね二人とも! それに将来の事も考えてて偉い、ますます応援したくなっちゃう! あ、そうだ今日は夜も食べていって! 悠真君の事、もっと知りたいし!」
「お父さんも! 食べてってね!」
そう言って二人合わせてパチン☆と華麗なウインク。
……なんかわかんないけど歓迎されてるみたいで良かった! 誠実に生きててよかった!
「あ、ありがとございます! そ、その……絶対に幸せにします!」
「だ、だからゆ、悠真君そう言うのは……それにそう言うのは……で、でも絶対幸せにしてね、私の事。いっぱいいっぱい大好きしてね……えへへ、今度は私のお部屋でイチャイチャしよ?」
『あらあら~……あら~!!!』
―緊張していた両親さんへの挨拶は、顔見知りだったこともあって意外とあっさり簡単に認めてもらってなんか和やかムードになって……勢いで「幸せにします!」なんて言っちゃったな。まあ、その……本心みたいなとこ、あるし。
☆
「えへへ、ここ私の部屋……大好きのポーズ、していい?」
「良いですよ。いっぱいしてください」
「ありがと、悠真君! それじゃあ早速……えへへ、大好き~」
そしてそのまま二人でのんびりしながら、秋穂さんの部屋で誘っていただいた夜ご飯を待つことになって。
「えへへ、悠真君、これ私! ちっちゃい頃の私だよ、今の方がお姉さんでしょ!」
「ふふっ、今と変わりませんね、あんまり。昔からずっと可愛いですね、秋穂さんは。今と同じですごく可愛いです」
藤井さんを見るに小学生くらいの写真だと思うけど、本当に昔と今で全然変わらない。服装が以外で変わったところが見受けられない……だからすごく可愛いです、最高に可愛いです!
だからそんなにぷくぷくお顔膨らまさないでください、その顔も愛らしいですけど。リスみたいで可愛いですけど。
「もー、またロリコンさん出てる! 悠真君ロリコンさんダメ、お姉さんにめろめろになりなさい! 悠真君は好きだけど、ロリコンさんはあんまり好きじゃない!」
「もうメロメロですよ、秋穂さんに! 可愛いとこ、いっぱい見れましたから!」
「ん~、そう言う事じゃなくてぇ、もっと私のお姉さんな部分を好きに……えへへ、でもいいや。悠真君が好きって言ってくれるならそれでいいのかも」
「そうですよ、今の秋穂さんが一番可愛いんですから……ごろごろ~」
「んにゃにゃにゃ~、そこ好き、大好き……ふへへ、私も大好きだにゃ、悠真君の事……にゃ~にゃ~……んふふふっ、すりすり~、大好き~」
……本当に可愛いな、冗談抜きでめちゃくちゃ可愛いな秋穂さん。
またさっきみたいに喉をごろごろすると、同じ可愛さで猫みたいな可愛い甘えた声で俺のお腹とか頭のあたりに全身使ってすりすりしてきてくれて、にゃんにゃんと……ああ、もう中毒でいいや。
「秋穂さん、ギューッてしていいですか? もう一度ギュってしていいですか?」
「にゃんにゃん……ってだ、ダメ! そ、それはその、お、お姉さんぎゅー中毒になっちゃうからだ、だめぇ! いっぱいするのダメです、今日はもうダメ! ちゅ、中毒になっちゃうよ!」
「別に中毒でいいです。秋穂さんの可愛いとこ、いっぱい見せてください……もっともっと秋穂さんを知って、好きになりたいですから」
「んん~、悠真君……そんなこと言われたらその、ちょっとだ……ってはにゃしききにゃさい! 最後まで話ききにゃさい!!!」
「もう我慢できません、我慢は体に悪いんでから。それに秋穂さんばっかり甘えてずるいです、俺にも甘えさせてください……ふふふっ、やっぱり温かくて安心します。ホント可愛くて好きです、秋穂さんは」
「あうぅ、もうダメだってぇ……悠真君そんな……好き」
俺の腕の中で小さく恥ずかしそうに震える秋穂さんの身体をギューッと抱きしめながら。
「……」
「……///」
秋穂さんの耳元で俺も同じように囁いた。
「……チッ」
―いちゃいちゃしてる、なんでそうなるの!!!
―なんだよ、何でよ……なんでなのよ本当に……なんで!!! 好きって言ってくれたじゃん、大好きって言ってくれたじゃん私の事……ナンデナンデナンデ! なんで!?
★★★
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