第84節 理想と現実

結果よりも過程かていが大事とか、ピンチの時こそ笑えとか、それは理想りそうだと思う。現実はもっとシビアで、結果を求められるし、とても笑ってる余裕よゆうなんかない。


こんにちは、柑那かんなです。


確かにね、理想ばかり追いかけていて結果がともなわなければ仕方しかたないとも言える。けど、結果が出なかった時に努力を否定してしまったら、どうだろう? 次もっと頑張ろうという気持ちになれるかしら?

結果が出なかった。努力は無駄むだだった。

って考えてしまったら、もう練習したくなくなっちゃうよね。

結果が出なかったけど、ここまでは頑張った。でもまだ足りなかった。

だったら、次こそ頑張ろうってなるかもって思うのね。


もう一つは、結果っていうのは過程かていの積みかさねによってこるものであって、過程なくして結果ってないの。結果が欲しいと言いながら、練習もせず、戦略せんりゃくも考えず、ただやみくもに戦って、勝てるはずもないよね。

プロの選手でも急に頭角とうかくを現す選手がいるけど、その人だって急に何かをしたわけではなくて、そこまでコツコツと積み上げてきたもの、積み重ねてきたものがあってそれがこのタイミングで結果になって現れたんだと思うよ。


柑那かんなは、結果はあくまでついてくるものであって、そこにいたるまでどんな準備をしたか、練習もそうだし、相手の研究だったり、対策たいさくだったり、チームワークだったり、いろんなことを抜かりなく準備してきたチームが勝つ。そう思ってる。


それから、「上を向いて落ち込む人はいない」って聞いたことないかしら。ガッツポーズをしながらがっかりする人もいない。「楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しいんだ」っていうのもよく言われるわよね。

これは心理学者のジェームズさんって人が言ってる説で、身体の反応を判断材料にして感情に名前を付けている、つまりわーい!ってポーズをしているから楽しい、泣いているから悲しい、という感情だと判断しているってことなのね。上手うまく行っていないチームって、どうしてもみんな下を向きがち。下を向きたくなるのはわかるけど、下を向いたら余計よけい落ち込むよ。特に試合中は元気を出してプレーしたいから、上を向こう。ガッツポーズで気分を上げよう。笑顔を作って、「楽しいんだ」「うまくいく」って錯覚さっかくさせよう。自分のマインドをうまく調整したりコントロールしたりするのも技術のうちだよね。まさにメンタルだと思う。


柑那かんなの言っていることはみんなキレイゴトのように聞こえるかもしれないけど、どれもみんないろんな人が実践じっせんして教えてくれたことばかりだから、理想でもあり、実は現実への一番の近道だと、思ってます。


落ち込んだ時によく「下を向くな」って声をかけられることがあるけど、あれ実は本当の事だったんだね!

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