第19節 チームの成長
その日、
夏
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話は3日前にさかのぼる。
練習の後、
「お呼びでしょうか?」
呼んでないけど、と言い返しながら
「いつもタイミング良く現れるよな」
こういう時、
翔はずっと
「ちょっと一緒に来て!」
と先に立って
「
「
まあ座って、と翔に椅子を
どの本も
「チーム作りの、参考になると思うんだ」
机いっぱいに広げられた本を見て翔が
「どれも内容は
と、アドバイスした。
なるほど、と翔は
「どう?良さそうなのあった?」
「うん、これが気になった」
と柑那に見せたのは最初に翔が手に取った本だった。
「じゃ、これ
「多分、今、
代表チームは、各クラブチームで
その中で翔の目に止まったのは、チームがようやくまとまりを見せてきた頃、選手たちが
そこまでの時間でしっかり関係を
読みながら、翔らもこの
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そして迎えた今日の練習試合。
夏休み最後の練習となった今日は、市内の高校との
試合後の部室にホッとした空気が
「
そんな声が聞こえたのをきっかけに、
「
「は? いきなりなんだよ翔!?」
「市内でそこそこ強くなったからって、全国レベルで見たら
春に
「それは
「
もし全国に行けたとしても、
今の僕たちじゃ、それがせいぜいじゃないかな」
「そんな言い方……」
「せっかく今うまくいってるのに……」
「うまくいってる? 本当にそうだろうか? なんとなく、うまくいっているような
「待てよ」
「そういう翔こそ、何ができてるっての?」
「大体さ、最後の失点、あれなんだよ。
「そもそも、あれはパスミスから始まったんだぞ」
「ミスしても気にすんなって話だったじゃねぇか」
「チャレンジを
「ミスしてもいい
「
それを言うなら、お前のポジショニングがいけないんだろ。
パスが出てから走るんじゃ遅いんだよ。パスが出るって予測して走れよ。
そのくらいわかるだろ」
「そのくらいって!? 俺は
「相手のディフェンス足が止まってたろ? 俺のパスの方が
「確かにあそこでボール取られたのは痛かったけど、せめてパスの出どころにケア入っておけば、向こうにチャンスはなかったぜ?
「まあ待てよ、それ以前からミスが増えてただろ。
あれじゃ、失点も時間の問題だと
「思ってたなら、その場で言えよ! なんとかできたかもしれないだろ?」
「お前もさ。前半のやつ、なんだよ」
「だから、その場で言えよ!
しょうがねぇみたいな顔されたらこっちもやる気なくすんだよ!」
「そんな顔いつしたよ!
俺は、パスじゃなくて自分でシュート打てよって言ってんの。なんのために毎日
「それを言うなら、後半のプレーもそうだよ。結果的に失点しなかったけど、あそこはワンツーで戻すところだろ?」
それぞれが言いたいことを言い出し、部室の中は耳を
「う、る、さーーーい!!!」
「もうっ、なんなんですか!! みんな外まで
ケンカしないでください! 言いたいことがあるならちゃんと話し合って!!」
みんな思わず顔を
「えーっと」
と、
「俺たちケンカしてたんじゃないんだけど」
思わず、
「えっ、えっ、どういうこと??」
今度は逆に
「俺たち、どうしたらもっと良くなるかって話し合ってただけだぜ?」
「うん、
「ま、声は少々大きかったかもしれないけれど……」
「出たァ!
みんなが笑い出し、
「よし続きだ! まだ俺と
「おう!
「翔、さっきのわざとだろ」
いつの間に
「わざと、みんなを
翔はくしゃっと
「てことは、
「まぁな。翔の考えてることくらいわかるさ。
翔、最近いろいろ
えっ、と
「だからみんな、こうやって本音を言ってんだよ」
自分だけが
「じゃあ
と笑って、みんなの
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