第15話 告白
それから数か月が過ぎ―――――春。4月。高校2年。
私は、拓海先輩とメールのやり取りしたり出かけたりする事が増えた。
友達以上恋人未満。
私達の関係は、その状態を保っていたけど、
ある日、出掛けた別れ際――――――
「先輩。どうかしました?」
「えっ?あ、いや…朋花ちゃん、この後、もう少し時間良い?」
「あ、うん…」
私達は、近くの公園に移動する。
「単刀直入に聞いて良いかな?」
「うん…」
「今、気になる人いたりする?」
「えっ!?気になる人?いないよ。まず出会いないし瀏司は恋愛対象にならないし」
「同居してて?」
「いつも言い合ってるし、友達って感じかな?拓海先輩は?誰か気になる人いるんですか?」
「俺?俺は……気付いたらってやつ?」
「そうなんだ!告白しないの?先輩カッコイイから断る人いないんじゃ?」
「そうとも限らないよ」
「えっ?」
「人それぞれ好みはあるから、告白して上手くいくってわけじゃないよ」
「そうなんだ…そういうものかな?」
「そうだよ。どれだけ魅力的な人でも選ぶのは自分じゃない。相手だから。俺が、朋花ちゃんの事を可愛いって思って告白して相思相愛なら良いけど、相手に想いがないなら一方通行」
「そんな!私は全然良いよ」
「えっ?」
「私は別に…ただ…先輩はカッコイイから…」
「じゃあ…朋花ちゃん。朋花ちゃんがカッコイイと思う俺と本気(マジ)で付き合わない?」
ドキッ
「えっ!?」
「俺、好きなんだ!」
ドキン
まさかの告白に更に胸が大きく跳ねる。
「先輩…えっ…?あの…」
「ゆっくりで良いから俺との事、考えて欲しい」
「………………」
「朋花…ちゃん…?」
「…いや…あの…まさか拓海先輩から、そう思われてたのが信じられなくて…私…今の仲を壊したくなくて…でも先輩に告白する勇気なんてないし…今のままでも良いかな?って…だけど…出掛ける度に自分の想いに嘘はつけなくて……」
「…朋花ちゃん…」
拓海先輩は歩みよりフワリと私を優しく抱きしめた。
ドキン…
「朋花ちゃん…改めて宜しく」
「…はい…」
私達は正式に付き合う事になった。
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