第8話 転入生

「美人じゃん」

「ヤバくね?」


「同級生?」

「女優さんみたい」



男女問わずザワつくクラスメイト達。


私達のクラスに一人の転入生が来たのだ。



「麻伊紫 奈都樹(あさいしなづき)です。よろしくお願いします」



美人系スタイル抜群の彼女。


クラスの男子はかなりテンション爆上がりだった。




そして後に、

彼女とトラブルが発生するなど知る由もなく――――




その日の夜。




「ねえ、今日の転入生美人だったね」

「転入生?あー、そうか?」


「えっ!?瀏司、興味ない感じ?嘘だ!!絶対にありえない!クラスの男子がどんだけラブラブビーム出していたと思うの?」



「ラブラブビームって……正直、俺は興味ねーから」


「えっ?いやいや…意地張んなくても素直になりなって〜。あれだけの美人を目の前にして、そんな興味ないってあり得ないって!」


「じゃあ聞くけど、お前は美人だって思うのなら、一緒に美人とか超イケてたって言った方が良かった?」


「別にそういうわけじゃないけど……」


「…俺、美人な女大嫌いだから!そこそこ普通の可愛さの方が俺的には良いんだよ?例えばお前みてーな」




ドキッ




「えっ…?」



「お前は、そこそこイケてるし、性格も可愛いし。まあ、たまには、きっつい性格と思ったりもするけど。それにたまに喧嘩もするけど楽しいし嫌じゃねーし」



「えっ…!?や、やだ、それ告ってんの?」


「まっさかー!好きとか、そういうのはねーけど、ただ違う意味で好きかな?お前の事」




ドキッ



「…ちょ、ちょっと!」

「何?」

「調子狂うし!」

「調子狂うって何でだよ!」

「ただの同居人から告られてる感あるし!」

「別に、お前が意識しすぎじゃね?」

「べ、別に意識してるつもりないし!」



私達は騒ぐ。




「どんだけのイイ男の中にあんたがいても絶っ対に選ばないから」


「はいはい」







『好き』とか『嫌い』とか



恋愛にはつきものだけど



相手を想うこと


愛することは


大切なこと



今 お互いの特別な想いかなくても


いつか ひとつの愛になるかもしれない



今はまだハートの形を


誰もが持っている



ハートの愛の形だから


お互いの想いが


好きになった時




そのハート型は


ひとつに繋がる


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